ベトナムの会計実務(勘定科目)

会計
こんにちは、ベトナム、ハノイ駐在員の浅野です。
今回のブログでは、ベトナムの会計実務の勘定科目についてご紹介いたします。
ベトナムにおいては会計法により企業の記帳の際に使用される勘定科目はすべて指定されています。財務省指定の勘定コード表(Chart of Account)と呼ばれるものです。
日本では、企業ごと業種に合わせた勘定科目を設定することができますが、ベトナムにおいては、すべての企業の記帳は統一された勘定科目を使用しなければなりません。これは、同一の勘定コード表を使用することにより、業種の異なる企業間の比較を容易にすることを目的としています。
勘定コード表の勘定科目はすべて番号が振られています。例えば、現金は、111となります。細分として、ベトナムドンによる小口現金は、1111となり、外国通貨による小口現金は、1112になるといった具合です。
実務上も勘定科目名ではなく、勘定科目に振られている番号で科目を呼びます。例えば、企業の会計担当者が顧問会計事務所に仕訳のきりかたを質問する場合、”この費用は、142(前払費用)若しくは242(長期前払費用)のどちらで仕訳をきりますか?”といった会話がされています。
概してベトナムの四桁までの勘定科目は日本の勘定科目と比較し、大きな分類になっています。例えば、1561は、商品ですが、国内仕入なのか、輸入仕入なのか、もしくは、関係会社からの仕入なのか、下請からの仕入なのか、区別することができません。これらを区別して仕訳を切る場合、1561の下の桁に任意の数字を足し、補助コードとして使用することができます。一般的な会計ソフトであれば、補助コードの機能がついています。
さらに会計ソフトのデータ内で特定の条件の項目の集計をする際に、まずは4桁の勘定科目の勘定口座でしぼり、その後、適用を見ながら集計をすることになり、非常に不便です。先ほどの例でいえば、商品の詳細を調べる際に、一度、1561の勘定口座でしぼった後に摘要を見ながら、国内仕入なのか、輸入仕入なのかを確認するといった作業が必要になります。よって、補助コードを設定し、例えば国内仕入は、15611、輸入仕入は、15612に設定することにより、会計ソフトの機能を使用し、一度で国内仕入15611、輸入仕入15612の集計が可能になります。社内参照用などに非常に便利ですのでお勧めです。
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