【ベトナムの移転価格税制の心得②】〜移転価格文書未作成のリスク〜

労務

ベトナム拠点の花嶋です。

今月はベトナムの移転価格税制シリーズでお送りします。

 

経営をするには短期と長期の思考が必要です。短期的には、税務調査のリスクも低く移転価格税制というものを軽視してしまうかもしれません。しかしながら、長期的に見れば税務調査リスクも高まりますので、これを一度は頭に入れて自社にどのような影響があるのかどうか確認しておく必要があるかと思います。

 

今回のテーマはベトナムの移転価格文書未作成のリスクについてです。
では、さっそく見ていきます。

 

先週、自社は移転価格文書を作成する必要があるのかどうかを見てみました。

そこで、自社で移転価格文書を作成する必要があり、万が一移転価格文書を作成していない場合、例えばどんなことが発生するのかをあらかじめ認知しておく必要があるかと思います。

 

もし、移転価格文書を未作成(もしくは未提出)だった場合、考えられることは、税務局が税務調査をし、適切な法人税を算定するべく、自社の取引価格や利益を調整することです。また、移転価格を皮切りに、税務局が税務調査をし、その税務調査で移転価格以外(例:法人税/CIT、付加価値税/VAT、個人所得税/PIT、外国契約者税/FCT等)の税務の不備を指摘されるリスクもあります。

万が一、税務に問題があり、利益是正を求められた場合の追徴課税はその年の納税額の20%に上ります。また、それには納税遅延利息も3%/日で科せられるため納税額合計によってはかなりの追徴課税になる可能性も潜んでいます。

 

ベトナムの税務調査にて、移転価格に関する指摘を受けるのを避けるために、国外関連取引の取引価格が「独立企業間価格」となっている、つまり自社の取引価格が適正であるかどうかを説明できるよう移転価格文書を用意しておくことが賢明だといえます。

 

次回は、ベトナムの移転価格文書作成の取締の傾向について書いていきますので、次回もよろしくお願いします。

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ベトナム ハノイ
花嶋 拓哉


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