国際税務関連の税務調査指摘事項Ⅰ

皆さん、こんにちは。東京税理士法人です。

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「国際税務関連の税務調査指摘事項Ⅰ」についてお話していこうと思います。


国際税務関連の税務調査指摘事項Ⅰ

「国際税務関連で税務調査において指摘される事項」は種々ありますが、今回は「寄附金(親会社の子会社経費負担)」について見ていきたいと思います。

法人税法上の「寄附金」というと、簡単に言えば「対価性のない支出」となりますが、ここでは国外関連会社との取引にフォーカスしてみます。

例えば、海外に子会社を設立した際に、その後に発生する取引として、次のようなものがあります。
・現地駐在員の派遣(人的リソースの提供)
・駐在員給与の負担
・商品、製品の売買
・現地サポートのための費用支出
・運転資金他、必要な資金の貸付
・親子会社間でのロイヤルティ取引

親子会社間であっても、ビジネス上の取引を行う際には「第三者と取引を行う際と同じ価格設定」が必要であり、仮にそれが妥当な設定でないとされると、移転価格税制の適用を受け、適正価格との差額に対して追加で税金が発生してきます。

ここで注意しなければいけないのが、「価格の妥当性」ではなく、「本来支払うべきものが支払われていない」と税務当局に判断されると、それは「価格の調整(移転価格税制)」ではなく「対価性のない取引(寄附金)」となり、その全額が否認される形になることです。
簡単な例ですと、子会社が負担すべき費用(出張経費、現地の家賃代など)を親会社が負担していた場合です。子会社に限ったことではありませんが、他法人の費用を負担していることですので、単純に「寄附金」という指摘を受けます。
これが実際の営業上の親子間取引になると、「独立企業間価格がいくらで、親子間取引をいくらで行っているから、所得が子会社に移転しています。」というような指摘になるわけなので、それなりの確証をもって指摘してくるという点が大きく違ってきます。

移転価格において、親子間の営業上の取引、即ち、原材料・商品等の取引、ロイヤリティ等の無形資産の取引は、企業の担当者も気に留めますが、取引の認識として抜けやすいのが親子間ローンの存在とそれに伴う金利の設定です。金利は、子会社が軌道に乗るまでは子会社の負担を抑えるという経営判断が入りやすく、低くする傾向になります。市場金利等との差が広がることになり、負担すべき金利を払っていないと判断される可能性が高く、結果として調査官の指摘を受けやすくなってきます。最近でも関与先のお客様が金利で追徴課税があったという事例も入ってきています。

 

国際税務について、当方では20数か国に拠点を設けておりますので、国外関連者と取引が始まる際に、
ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。



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