皆さん、こんにちは。東京税理士法人です。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「インドにおける移転価格調査の事例」についてお話していこうと思います。
インドにおける移転価格税制の特徴と背景
インド市場は、多国籍企業や外資系企業にとって重要な成長の場となっています。現地でのビジネス拡大を進める企業にとって、移転価格税制への対応は避けられない課題です。インドでは、2001年に移転価格税制が導入され、その後も複数回にわたって制度の強化が行われてきました。インド政府は税収の確保と税務コンプライアンスの向上を目的として、移転価格への厳しい規制を維持しています。特に、デジタル分野や製造業、ITサービスを提供する企業は、インド国内での利益が課税ルールに従って適正に計上されているか、厳しい監視の目が向けられています。
インドの移転価格税制は、OECDの「独立企業原則」に準じており、国外関連者間取引が独立企業間と同様の条件で行われていることが求められます。しかし、インドでは独自の指針も多く、他国と比較しても複雑であるため、現地の制度に精通した専門家のサポートが必要です。
移転価格調査の事例:デジタルサービス企業の場合
ある日系デジタルサービス企業は、インド国内でITサービスの提供を行い、グループ会社間での取引が頻繁に発生していました。同社は移転価格文書を提出し、取引が適正に行われていることを示していましたが、税務当局から更なる詳細調査を求められる事態となりました。
- 取引価格の妥当性
グループ会社間で提供されるサービス価格が独立企業間の相場に基づいているかどうかを徹底的にチェックされました。 - 利益配分の公平性サービス提供の対価としてインド国内に計上される利益が適正か、企業グループ全体での利益配分がインド国内外で不公平に偏っていないかが確認されました。
- 関係会社間の契約内容の適正性
- インドでの法人と本社間の契約が独立した企業同士の契約と同等の条件であることが求められました。この場合、契約内容の不明確さがリスクとされ、具体的なリスクの検証が行われました。
移転価格税制への対応を怠ると、日本だけでなく各国で移転価格税制による所得漏れに対する課税がなされます。移転価格税制の対応が後手になりますとリスクを低減することが出来ませんので、国外関連者との取引を始められる場合には、現地の専門家の協力を得つつ、移転価格税制の対策及び改訂を実施して頂きたいと思います。
移転価格税制等、税務に関するお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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