
皆さん、こんにちは。東京税理士法人です。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「経理・会計アウトソーシングを「業務を外に出すだけ」で終わらせないために、本当に重要な視点」についてお話していこうと思います。
経理・会計アウトソーシングという言葉は、ここ数年で一気に一般化しました。人手不足の深刻化、採用コストの上昇、バックオフィス業務の高度化などを背景に、「経理を内製すること自体がリスクになる」という認識が、多くの企業で現実味を帯びています。一方で、「外に出したはずなのに、経営が楽になった実感がない」「数字は出ているが、判断には使えていない」と感じている経営者が多いのも事実です。
その原因は、アウトソーシングを単なる省力化の手段として捉えている点にあります。本来、経理・会計アウトソーシングの価値は、業務を外に出すことそのものではなく、経営判断のスピードをどこまで高められるかにあります。
目次
アウトソーシングの本当の価値は「月次決算の早期化」にある
多くの企業が見落としているのが、この視点です。
一般的な経理アウトソーシングでは、証憑を月末にまとめて提出し、処理は翌月中旬以降、試算表が出るのは月末近くという流れになりがちです。数字は正確でも、社長がそれを見る頃には、すでに1か月以上前の結果になっています。
経営参謀型税理士によるアウトソーシングでは、考え方が根本的に異なります。目的は帳簿を作ることではなく、経営判断に使える月次数字を、できるだけ早く出すことです。そのため、証憑は随時回収し、処理は月中から進行し、月次決算は翌月上旬、場合によっては数営業日以内に確認できる体制を前提とします。
完璧な数字を待つのではなく、まずは「傾向が分かる数字」を早く出す。この発想が、一般的なアウトソーシングとの決定的な違いです。
なぜ「早い月次」が経営を変えるのか
経営はPDCAで回すと言われますが、実務上、最も弱くなりやすいのが C(Check) です。計画と実行は多くの経営者がすでに行っていますが、振り返りが遅ければ、修正は常に後手に回ります。
月次決算が早く出るということは、チェックが早くなり、判断が早くなり、修正を「その月のうち」に打てるということです。これは単なる効率化ではなく、P → D → C を高速で回すための経営の仕組み化の一つです。経営参謀型税理士によるアウトソーシングは、業務を外に出すことではなく、この「C」を機能させるための仕組みづくりに本質があります。
そのうえで考える、一般的なアウトソーシングの手順
ここからは、経理・会計アウトソーシングを導入する際の一般的な手順を整理します。ただし重要なのは、以下の手順すべてが「月次決算を早く出す」という目的に紐づいて設計されなければ意味がないという点です。
これをただの「業務の委託」と考えると、通常のアウトソーシングと何も変わらなくなってしまいます。
これができるのは、数値と経営をリンクさせることができる経営参謀型税理士なのです。
アウトソーシング前に必ず行うべき準備
アウトソーシングを検討する際、最初に行うべきことは目的の明確化です。「人が足りない」「経理が大変」という理由だけで進めてしまうと、どこまで外注すべきなのか、何をもって成功とするのかが曖昧になります。
実際、「経理が忙しいから」と記帳を外注したものの、「月次をいつまでに締めたいのか」「社長が何を見たいのか」を整理していなかったため、試算表は出てくるが経営判断には使えない、というケースは少なくありません。一方で、「月次決算を翌月10日までに締める」とゴールを先に定めた会社では、外注先との役割分担や資料提出の締切が明確になり、短期間で月次が安定しました。
また、現行業務の棚卸しも欠かせません。誰が、いつ、どの資料を使い、どのような判断をしているのかを可視化することで、属人化や無駄な作業が浮き彫りになります。この工程はアウトソーシングの準備であると同時に、自社の業務構造を見直す機会でもあります。
アウトソーシング範囲の決定
アウトソーシング=丸投げではありません。特に月次決算の早期化を目的とする場合、すべてを外に出せばよいわけではありません。多くの企業では、まず記帳業務や証憑整理、給与計算といった判断を伴わない定型業務から外注を始めます。
最初から包括委託を選択した会社では、社内に数字を理解できる人がいなくなり、「なぜ今月こうなったのか」が分からず、確認作業が増えたという失敗例もあります。一方で、記帳・集計は外注しつつ、月次レビューは社長・幹部・税理士で短時間で行う体制を作った会社では、数字への理解が深まり、打ち手も早くなりました。重要なのは、「何を外に出すか」ではなく、「どこをスピード判断の起点として残すか」です。
アウトソーシング先選定で見るべきポイント
アウトソーシング先を選ぶ際、多くの企業が料金や対応業務の広さに目が向きがちです。しかし月次決算の早期化を実現するうえで本当に重要なのは、その事業者がどの時間軸で仕事をしているかです。
「証憑は月末締め」「処理は翌月まとめて」という前提では、構造的に月次は早まりません。成功している会社では、「いつの時点で、どのレベルの数字が見えるのか」「速報値と確定値をどう使い分けるのか」まで契約前に確認しています。
また、チャットやオンラインミーティングを活用し、月中でも数字の確認ができる体制があるかどうかも重要です。単に処理を請け負うのではなく、経営のリズムに合わせて動けるかが選定の分かれ目になります。
移行フェーズ(引き継ぎ)で差がつく
アウトソーシング導入で最も重要なのが、最初の引き継ぎフェーズです。「とりあえず今月分からお願いする」という形でスタートし、過去データや処理ルールの共有を後回しにした結果、後から過去修正が頻発するケースは少なくありません。
一方で、最初から「1〜2か月は調整期間」と位置づけ、過去データの整合性確認、勘定科目や処理ルールのすり合わせ、月次の締め日やレビュー日程まで丁寧に設計した会社では、その後の運用が驚くほど安定します。月次決算の早期化は、この初期設計の質でほぼ決まります。
アウトソーシングを「経営の武器」に変えるために
経理・会計アウトソーシングで失敗する会社には共通点があります。目的が曖昧なまま導入した、業務を整理せずに丸投げした、価格だけで判断した、そして何より月次決算のスピードを重視していないという点です。
アウトソーシングとは、業務を手放すことではありません。意思決定の流れをどう設計するかという経営の問題です。経営参謀型税理士によるアウトソーシングでは、早く出た数字を使って「チェックし」「修正し」「次の一手を打つ」ところまでを前提に設計します。
業務が外に出るだけのアウトソースで終わるのか、それとも経営のスピードを変える仕組みになるのか。この違いが、半年後、1年後の会社の姿を大きく分けます。
まとめ
経理・会計のアウトソーシングは単なる省力化の手段ではなく、経営における「チェック」をきちんと機能させるための手段の一つです。そのため、アウトソーシング先を選ぶ際には自社の経営リズムに適したところにする必要があります。
また、アウトソースによって社内で経理・会計を完結できなくなってもいけません。
「経営参謀型税理士」によるアウトソーシングでは、アウトソースの目的を明確にし、早く出た数字を使って「チェックし」、「修正し」、「次の一手を打つ」ところまでのサポートを行います。
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