事業承継は「税務」だけでは終わらない! ~いま、経営者に求められる本当の“準備”とは~

皆さん、こんにちは。東京税理士法人です。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「事業承継と税務 いま、経営者に求められる本当の“準備”」についてお話していこうと思います。


 

事業承継という言葉を聞くと、多くの経営者は「相続税」「贈与税」「株価評価」といった税務の話を思い浮かべるかもしれません。確かに、これらは事業承継において避けて通れない重要な論点です。しかし、実際の事業承継は、税金の計算や申告手続きだけで完結するほど単純なものではありません。

事業承継とは、会社の株式や財産を引き継ぐ行為ではなく、「経営そのものを、次の世代にどう引き継ぐか」という極めて経営的なテーマです。経営者がこれまで担ってきた意思決定、責任、判断基準、さらには価値観まで含めて承継できるかどうかが問われます。
そのため近年では、単なる税務手続の代行ではなく、経営の全体像を踏まえたうえで事業承継を支援できる経営参謀型税理士の役割が注目されるようになっています。

なぜ、事業承継は後回しにされ続けるのか

多くの中小企業で、事業承継は「まだ先の話」「今すぐ困っていない問題」として後回しにされています。日々の資金繰り、売上確保、人材対応などに追われる中で、将来の承継まで考える余裕がないというのが実情でしょう。
また、後継者が決まっていない、親族に継がせるか第三者に任せるか判断できない、そもそも誰に相談すればよいか分からない、といった理由も事業承継を遠ざける要因になります。
さらに、事業承継を考え始めると、税務、法務、財務、組織、人事と論点が一気に広がります。その複雑さゆえに、全体像を整理できず、「難しそう」「後で考えよう」と先送りされてしまうのです。
しかし、この先送りこそが最大のリスクです。事業承継は、準備期間が長ければ長いほど選択肢が増え、柔軟な対応が可能になります。一方で、直前になればなるほど打てる手は限られ、結果として望まない形での承継を余儀なくされるケースも少なくありません。

税理士に相談しても、話が前に進まない理由

「すでに税理士に事業承継の相談はしたことがある」という経営者は決して少なくありません。しかし、その多くが「結局、具体的な話にはならなかった」という印象を持っています。
相続税の概算を示されただけで終わったり、自社株の評価額が高いか低いかという説明で話が止まってしまったり、経営そのものに踏み込んだ議論ができなかったというケースがよく見られます。
これは、税理士の役割が「税務処理」や「申告業務」に限定されている場合に起こりがちです。税務は事業承継における重要な要素の一つではありますが、それだけでは不十分です。
誰が経営を担うのか、経営権と所有権をどう分けるのか、借入や財務体質は承継に耐えられるのか、承継後に会社が成長し続けられるのか。こうした経営判断を伴う論点を整理しなければ、事業承継は前に進みません。
そのため、単なる税務相談ではなく、経営の視点から並走できる経営参謀型税理士が必要とされるのです。

経営参謀型税理士が関わる事業承継とは

経営参謀型税理士は、税務の専門家であることにとどまらず、経営者の意思決定に深く関わる立場として事業承継を支援します。事業承継を一時的なイベントではなく、長期的な経営プロジェクトとして捉える点が大きな特徴です。
まず、事業承継を「相続の問題」ではなく「経営課題」として整理します。組織体制や権限の所在、意思決定の流れ、数字の見方や管理方法など、経営の仕組みそのものが次世代に引き継げる状態になっているかを確認します。決算書の数字を読み解きながら、承継後の経営が実際に回るかどうかを検証するのも重要な役割です。
次に、税務を目的ではなく手段として設計します。節税や相続税対策は重要ですが、それが経営判断を歪めてしまっては本末転倒です。経営参謀型税理士は、事業を継続・成長させることを前提に税務を組み立てるため、結果としてキャッシュが残り、財務体質が強化され、次世代経営者が意思決定しやすい環境が整います。
さらに、承継後を見据えた支援も欠かしません。新社長が数字を理解できているか、投資判断や銀行交渉ができるかといった点まで含めてサポートすることで、承継後の経営を安定させていきます。

事業承継に強い税理士とは、どんな存在か

事業承継に強い税理士とは、単に相続税の知識が豊富な税理士ではありません。税務、財務、組織、経営といった複数の領域を横断的に理解し、経営者と同じ視点で物事を考えられる存在です。
経営者が抱える悩みや不安を数字に落とし込み、選択肢を整理し、意思決定を支える。その役割を担える税理士こそが、事業承継において本当に価値を発揮します。言い換えれば、経営者の隣で考え続ける経営参謀型税理士こそが、これからの時代に求められる存在です。

事業承継は、いつから始めるべきか

答えは明確です。「早ければ早いほど良い。」
事業承継を意識し始めた瞬間から、経営の見え方は大きく変わります。数字の意味が明確になり、組織の課題が浮き彫りになり、次世代をどう育てるかという視点が生まれます。
つまり、事業承継を考えること自体が、現在の経営を強くする行為なのです。
「何から考えればいいか分からない」と感じているのであれば、それは事業承継に本気で向き合う準備が整ったサインとも言えます。
経営の延長線上で事業承継を考え、長期的な視点で会社の未来を設計する。その伴走役として、経営参謀型税理士という選択肢があることを、ぜひ覚えておいてください。

 

税理士との関係を見直さないままでいると、事業承継を「税務手続き」の問題として捉えることにとどまり、経営の引き継ぎや将来リスクへの対応まで踏み込めない状態に陥りがちです。税理士の見直しが後手に回るほど、経営権や組織体制、財務のあり方を含めた承継準備が進まず、結果として選択肢の少ない承継を迫られる可能性も高まります。
会社が成長し、経営の複雑性が増してきた段階だからこそ、税務だけでなく経営全体を俯瞰し、数字と仕組みの両面から事業承継を支援できる税理士との連携を検討することが重要といえるでしょう。

税務、会計に関するお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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