なぜ今、税理士変更を考えるべきなのか ― 経営参謀型税理士という選択

皆さん、こんにちは。東京税理士法人です。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「なぜ今、税理士変更を考えるべきなのか」についてお話していこうと思います。


目次

なぜ今、税理士の見直しが必要なのか

会社を取り巻く経営環境は、大きく変化しています。
人材不足、物価上昇、資金繰りの難しさ、複雑化する税制、そしてAI・クラウド化の加速。
こうした環境の中で、従来の「記帳・税務申告をしてくれる税理士」だけでは会社の成長に十分対応できなくなってきました。
いま求められているのは、“経営全体を理解し、数字と仕組みによって会社の未来を支える税理士”です。
このような役割を担う税理士は「経営参謀型税理士」と呼ばれ、税務処理だけではなく、財務・利益計画・資金繰り・組織の標準化までを一体として捉え、社長の意思決定を支えることを役割とします。
会社が成長段階に入るほど、「単なる税務顧問」ではなく「経営参謀型税理士」がそばにいるかどうかが、数年後の差につながりやすくなっています。

 

税理士を変更した方がよい状態とは?

経営判断の相談ができない

税務処理だけでなく、設備投資・新規事業・採用・銀行対応といった経営の根幹に関わるテーマは、社長が最も迷いやすい部分です。
ここで、数字にもとづいた選択肢やシミュレーションを示してくれる経営参謀型税理士がいないと、不安なまま意思決定せざるを得ず、事業のスピードと意思決定の正確性が大きく落ちてしまいます。

レスポンスが遅く、説明が分かりにくい

経営判断はタイミングが命です。
返答が数日遅れる、説明が曖昧で理解しづらい、専門用語が多く結局どうすればよいか分からない、という状態が続くと、行動が遅れ、意思決定に迷いが生まれます。
この積み重ねが、結果として売上機会や成長のチャンスを逃すことにつながります。
経営参謀型税理士であれば、「結論」と「理由」をセットで示し、意思決定のスピードと質を高めることが求められます。

提案がなく、処理中心になっている

月次処理や申告業務だけで終わり、「このまま行くと何が起きそうか」「今のうちに何を変えるべきか」といった提案が出てこない状態では、税理士の役割は過去の数字の集計、つまり「記録係」に近いものになります。
会社の成長に合わせ、本来は経営改善・財務改善・効率化などの提案が必要になりますが、それがないと、企業の成長スピードそのものに影響します。
経営参謀型税理士は、過去の数字の説明だけでなく、未来の数字を一緒につくることが前提になります。

クラウド会計や業務改善に弱い

クラウド会計やデジタル化は、現代の経営において生産性を大きく左右します。
ここへの理解が浅い税理士では、業務は属人化し、効率化も進まず、経営全体のスピードが遅れます。経営参謀型税理士は、会計ソフトや周辺ツールも含めて「仕組み」として設計し、月次決算の早期化やミス削減に結びつけていくことが期待されます。

会社の成長に専門性が追い付いていない

組織が大きくなると、必要となる知識は「税務」から「財務・経営・組織運営」へと広がっていきます。いわば、経営参謀型税理士がカバーするべき領域です。
今の税理士がその領域を扱いきれないと、社長の判断材料が不足し、会社の伸びしろが削られてしまいます。

 

税理士変更に適したタイミング

一般的に、税理士変更をしやすいタイミングとしては、以下があげられます。

決算が終わった直後

税務処理が一段落しており、前期との区切りが明確なタイミングのため、最もスムーズに引継ぎが行えます。
新しい税理士も前期の数字を理解した上でスタートできるため、初期の認識ズレも起きにくくなります。

税務調査が終わった後

税務調査が進行中だと、書類や対応が錯綜するため、変更は複雑になります。
調査が落ち着いてからの切り替えであれば、新しい税理士も状況を整理したうえで関われるため、負担やリスクが最小化されます。

決算3か月前〜申告前は避ける

この時期は会計事務所の繁忙期であり、十分な引継ぎ時間や確認作業が確保できません。慎重な移行が難しくなり、結果としてミスや認識違いが発生しやすいため、あえて避ける方が会社の負担を減らせます。

会社が成長フェーズに入ったとき

売上が伸び、組織が拡大し、意思決定の重要度が高まる時期は、税理士に求める役割が大きく変わります。いわば「経営参謀型税理士」が必要となるタイミングであり、この段階での切り替えが会社の成長を加速させるケースも増えています。

これが一般的な税理士交代のタイミングといわれていますが、会社を取り巻く環境は日々変化しており、タイミングを待っては事業機会を見逃すことにもつながりかねません。
経営参謀型税理士は、会社の繁栄を一番に考え、それに対応してきた経験がある。つまり、どんな状況でも交代できるノウハウ・経験を持っているため、どのタイミングで税理士交代を行っても、問題なく対応していくことができます。

 

税理士変更の流れ

契約内容の確認

解約通知の期限、違約金、契約更新条件などは、事前に必ず確認しておくべきポイントです。これを怠ると、無駄な費用が発生したり、トラブルが生じる可能性があります。

次の税理士を決める

税理士不在期間があると、月次処理や申告作業が滞り、会社に大きな負担がかかります。新しい税理士を先に決めてから解約に進むことで、スムーズな引継ぎと業務の継続性が確保できます。
経営参謀型税理士では、そもそもの役割が今の税理士と異なるため、交代ではなく並走の形で対応が可能です。

現税理士に解約を伝える

過度な批判は関係悪化につながりやすいですが、前向きな理由と感謝を伝えることで、円満に契約終了を迎えやすくなります。これにより、資料返却の遅延などのトラブルも防げます。

預けている資料を回収

総勘定元帳、申告書、会計データ、届出書、過去の税務調査資料など、今後の処理に必要な資料が欠けると、新しい税理士が正確な作業を行えません。抜け漏れなく回収することが、スムーズな移行を左右します。

新しい税理士へ引継ぎ

事業内容や経営状況、今期の課題などを共有することで、新しい税理士は最初から正確に会社を理解できます。この段階が整うほど、スピード感あるサポートが可能になります。

 

変更先を選ぶときに見るべきポイント

財務に強く、利益・資金計画を作れるか

税務処理だけでなく、利益の出し方や資金繰りの改善方法まで理解しているかどうかは、経営参謀型税理士かどうかを見極めるうえで重要なポイントです。
経営における「数字の根幹」を支えられるかどうかが、大きな判断基準になります。

経営計画(KGI・KPI)をともに作り、実行を支援できるか

計画だけ作って終わりではなく、実行段階での改善、軌道修正まで関わってくれることが重要です。経営参謀型税理士は、予算・中期事業計画とKGI、日々のKPIをつなぎ、「絵に描いた餅」にせず目標の実現をサポートすることができます。

組織の標準化・仕組み化までサポートできるか

属人化が解消されることで、ミスが減り、生産性が長期的に上がります。経営参謀型税理士は、現場の業務構造を理解し、業務フローやチェック体制の設計に踏み込めるかどうかがポイントになります。

デジタル化、クラウド、AI活用に前向きか

会計や経営管理の効率化を図るうえで、デジタル対応力は避けて通れません。ITの活用度合いが高い税理士ほど、業務スピードと精度が大きく変わります。経営参謀型税理士であれば、クラウド会計や周辺ツールを「数字を早く出し、経営に使うためのインフラ」として役立てていくことができます。

社長が相談しやすい存在か

どれほど能力が高くても、社長が相談しづらい相手では意味を持ちません。対話の質や関係性の良さは、長期的な経営パートナーとして極めて重要です。経営参謀型税理士であれば、経営に対する理解があり、社長が本音で話しやすい相談相手として機能することができ、これが会社の成果にも直結していきます。

 

税理士を変えることで得られるメリット

意思決定が速くなる

判断材料が明確になり、迷いが減ることで、全体の行動スピードが上がります。
これが積み重なるほど、業績にも顕著な差が出ます。

資金繰りが安定し、銀行との関係性が良くなる

財務が整理され、説明の根拠が明確になるため、金融機関とのコミュニケーションが改善され、資金調達の可能性も大きく広がります。

組織の生産性が上がる

社内の仕組みが整うことで、社内のストレスが減り、ミスやムダの削減につながります。結果として、離職率の低下や業務効率の向上も期待できます。

社長の精神的負担が軽くなる

相談できる相手がいることで、判断時の不安や孤独感が軽減されます。精神的なゆとりは、より良い意思決定にも直結します。経営参謀型税理士がそばにいることで、この効果はより大きくなります。

売上と利益の伸び方が変わる

数字の裏にある原因や構造が見えるようになり、戦略が的確に打ちやすくなります。これは、短期・中期の成果にも影響します。

 

経営参謀型税理士の関わり方 ―セカンドオピニオン型と「二階建て」の発想―

「経営参謀型税理士」と聞くと、「今の税理士を交代しないといけないのか」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。
最近は、税理士交代を前提とせず、「セカンドオピニオン型」で経営参謀型税理士を導入する会社も増えています。

顧問のみ(セカンドオピニオン型での経営参謀型税理士)

①税務業務は今の税理士のまま

記帳や申告などの税務業務は、これまで通り現在の税理士に任せたままにして、そのうえで、経営参謀型税理士を「顧問」「セカンドオピニオン」として別枠で契約する、という形です。

②経営・財務・組織だけを参謀として見る

経営参謀型税理士は、予算策定、事業計画書の作成、月次決算の早期化、月次の経営分析、資金繰りや銀行対応、組織・仕組みづくりなど、「経営」と「数字」をつなぐ部分にフォーカスします。税務申告そのものを担当しないため、「税理士交代のタイミング」を気にせず、いつでも導入しやすいのが特徴です。

税務+経営参謀を一体で見る(一体型 経営参謀型税理士)

税務顧問と経営参謀が分かれているとやりづらい場合や、将来的には一本化したい場合には、税務と経営参謀を一体で担う経営参謀型税理士を選ぶケースもあります。

①決算・申告と予算・中期計画をつなぐ

決算や申告だけでなく、決算の2か月前くらいから予算策定や事業計画の議論に入り、「今期の結果」と「来期の設計」をワンセットで見ることができます。経営参謀型税理士ならではの強みです。

②月次決算早期化と月次分析の「二階建て」

経営参謀型税理士は、申告業務のサポートだけでなく、月次決算早期化と月次分析の仕組みづくりを行います。日々の入力やチェック体制を整える「一階」と、締まった数字をもとにした月次分析・経営会議という「二階」をセットで設計するイメージです
この「二階建て」の発想があれば、本来はいつからでも経営参謀型税理士を導入できます。

税理士交代は「あとからでもよい」という考え方

最初から税理士を交代する必要はありません。まずはセカンドオピニオン型の経営参謀型税理士として入り、「経営の土台づくり」と「数字の見える化」を進めていく。そのうえで、必要に応じて税務も含めた一体型に切り替える、という段階的な導入も自然な流れになりつつあります。

 

税理士変更は「経営の転換点」

税理士を変えることは、単なる不満の解消ではなく、会社の未来を大きく変える“経営の転換点”になり得ます。どの税理士と組むかによって、これから数年間の意思決定の質や、資金繰りの安定感、組織づくりの方向性が変わっていきます。

その中でも、「経営参謀型税理士」がそばにいるかどうかは、会社のステージが上がるほど影響が大きくなってきます。ただし、いきなり税理士交代を決断する必要はなく、セカンドオピニオン型の経営参謀型税理士を「二階建て」で導入するという選択肢もあります。

まずは、自社の現状と今後の方針を整理し、「今の税理士との関係は維持したまま、どこまでを経営参謀型税理士に任せるのか」「いつのタイミングで、一体型として一本化するのか」といった観点で考えてみることが、これからの時代の“税理士との付き合い方”になりつつあります。

 

税理士との関係を見直さずにいると、税務対応にとどまり、経営判断や将来リスクへの対応が十分に行えない状態に陥る可能性があります。税理士の見直しが後手に回ると、経営体制の改善や意思決定の質を高めることが難しくなりますので、会社が成長し、経営の複雑性が増してきた段階では、経営全体を理解し、数字と仕組みの両面から支援できる税理士との連携を検討していくことが望ましいといえます。

税務、会計に関するお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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