PICスキーム

税務

こんにちは、シンガポール駐在員の和久井です。

シンガポールでは政府が企業の生産性向上や技術発達を伸ばすことに力を促進しており、ITの導入や効率性を高めるもの、あるいは研究開発を行う企業に対し、それらに投資した諸経費は法人税額が控除されるという制度があります。今回はその2010年より実施されているPICスキームについてご紹介いたします。PICとはProductivity and Innovation Creditといい生産性と技術革新控除スキームとして、政府が認める特定の資産や経費に対して、400%の税額控除の適応もしくは60%の払戻金が付与されるものです。優遇される経費控除項目は下記6つに該当した場合となります。
・PIC規定のITシステム導入および自動化の設備投資による支出
・社員の教育制度設置にかかる支出
・知的財産権の取得およびライセンス登録
・特許、商標、デザインなどの登録による支出
・研究開発の活動にかかる支出
・シンガポールデザイン審議会により承認されたデザイン活動(申請前に許可を取得していることが前提)

例えば、企業内の経理会計処理に対し、ソフトウェアの購入、ネットワーク構築機材に掛かるコストに対し資本控除が可能となります。控除が認められる基準として、業務の簡素化やシステム化で効率が高まり生産性が向上すると判断される場合や、これまで使用されてない新規設備導入によって自動化、時間が短縮されたなどで生産性が増したなどが当てはまることを条件としています。IRASへの申請がとおれば、控除が認められますので、これら条件に当てはまる場合は申請してみる価値がでてきます。また既に販売している機器でも既にPICキャッシュバックが行えることを教えてくれる場合もありますので、各販売店で確認されるのも適切です。

このPICスキームは2015年度までの実施期間が限定的です。また2013年から2015年に当たっては、PIC Bonusという控除枠がより手厚くなるものが発表されております。こうしたITシステム導入以外にも、他の項目でもどのような場合にどういった控除が受けられるかをご紹介致します。

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