ストライキ

法務

こんにちは、シンガポール駐在員の和久井です。

シンガポールは雨期に入り、年間で最も雨量が多い月と言われています。ほぼ毎日のように昼から雨が降り続けるのですが、気温が下がるため、一年中熱帯と思ったものの、比較的過ごし易い気温となっています。有難いです。

さて、先月26日にシンガポールで26年振りのストライキの報道をすでにご存知の方もおられると思いますが、あれから1ヶ月近く経とうとしていますが、未だその後の報道が流れております。もともと反発が起きたのは中国本土から来る中国人が、シンガポール地下鉄会社SMRTの中国人バス運転手がマレーシア人との賃金の格差に対し、自分たちの給与も平等に値上げすべきと訴えかけたのに機縁します。但し事前の通知もなく一部のバス運行がストップさせたことは合法的でないとされ。このストに参加したうちの4名が扇動の容疑で起訴、うち6週間の禁固刑が科され、その他ストに加わった30名近くが母国へ送還されました。

ことの発端は、雇用時間が増えた分に対しマレーシア人およびシンガポール人に対する賃金の上昇に対し、中国人従業員はほんのわずか半分もしくは手当てがつかなかったことにあります。人材開発省が間に入り企業と従業員への交渉で治まりつつも、今回この様な事態に人種的な差別扱いやこうした時の会社の対処法がないかなどが気になる点であります。今回雇用側の主張としては、中国人出稼ぎ労働者に対し、社宅などマレーシア人とは別の手当てが与えられているため賃金の差は妥当だという回答をしていたとのことでしたが、結果的に中国人労働者の分も上乗せする話で対処するなど、雇用側にも責任とそれなりの対処が求められました。低賃金で雇える外国人労働者を必要とする、いわゆる人手不足が続く交通機関や建設業界にとって賃金設定や従業員同士集団でストを起こさぬよう、公平性を保つ就業規則や雇用契約書にあらかじめきちんと用意するなど、雇用条件を明確にすることが、ミスコミュニケーションを避けるなど、人事面で取り組むべき課題が見える一例の事件だと思います。

以上

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