シンガポールの自宅待機、SHNを徹底解説!

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フェーズ2に入り、シンガポールにも一時帰国していたEP保持者が続々と戻り始めています。

ただし、帰国条件の一つ、自宅待機(Stay Home Notice:SHN)の詳細については、英語で細かに記載されており、内容の理解が追い付かない方も多いと思われます。

今回はこのシンガポールのコロナ対策、正常化フェーズ2のSHNについて、以下の通り、要点をまとめてお伝えします。

入国申請の時点で全て理解している必要がある!

EP等就労許可を保持している従業員は、会社によって行われる入国申請が許可されて初めて航空券を購入することができます。

しかし、実際には下記に見るように様々な必要事項があり、事前に準備しておく必要のある事項が多数含まれています。

こちらを理解して上で、準備に十分な時間を取って行動する必要があると言えるでしょう。

空港からの移動はタクシーのみ?

正確には会社の社用車での送迎も許可されていますが、公共交通機関の利用は許されないため、原則としてはタクシーで入国申請時に入力した場所に移動することになります。

その再利用できるタクシーは限定されており、6社から選択することになります。

自宅でSHNを過ごせない場合は?

EPなどを取得する前、IPAが発行されている段階の従業員に対しては、会社が住居を用意するのも難しい場合があります。

また、対象の従業員が最近14日以内に「安全な地域」として指定された地域(日本を含む)の枠外にある地域に渡航してしまっていた場合などは、自分の自宅でSHNを過ごすことは許されません。

この場合、シンガポール政府の指定するホテル施設で14日のSHNを過ごすことになりますが、こちらは有料で、S$2,000程度会社が負担することになっています。

シンガポールのSIMが必要?

シンガポールの携帯電話は、日本と似て、短期滞在の場合はプリペイドのSIMが、就労許可などで長期滞在する場合は各種携帯電話会社と契約する後払いのSIMが用いられます。

当然、入国した後でなければこうしたSIMを購入することは難しいのですが、今回のコロナ対策では、SHNに際してシンガポールの電話番号が求められます。

日本から入国する場合でも、入国時に本人が利用することができるよう、事前にシンガポールのプリペイドSIMなど(Amazonなどでも販売していることが確認できます)を購入させ、電話番号を保持しておくことが求められます。

この際、有効期限が15日以上のSIMを購入する必要がある点に注意しましょう。

なお、申請の際には会社の別の社員の携帯電話番号を登録しておき、あとで購入したプリペイドSIMを利用したいという場合も対応が可能です。

携帯電話番号が変わった時には、以下のリンク先のフォームで必要情報を入力し、通知を行うことになっています:https://form.gov.sg/#!/5ebce51952407a0011696961

アプリのダウンロードが必要?

シンガポール政府当局は、従業員のSHN期間中、WhatsAppまたはSMSで連絡を取ろうとしてきます。

この点、上記入国申請の時点で購入してあったプリペイドSIMがあればSMSについては問題ありませんが、WhatsAppについても同様にインストールしておくことが求められます。

また、従前からWhatsAppを使用していた場合にも、自分のアカウントが購入したシンガポールのSIMと紐づいている必要があるため、注意が必要です。

対象従業員はシンガポールに入国し、プリペイドSIMをアクティベートさせたらすぐ、自分のWhatsAppアカウントの登録電話番号を変更することになります。

SHN中の飲食、洗濯は?

衣食住のうち、住の部分についてはホテルまたは自宅住居ということで、方針がはっきりしていますが、食事と衣類については不明瞭だと思われることと思います。

SHNの措置で決定的なのは、雇用者側が従業員の食事について責任を持つ、という条件が入っていることでしょう。

ホテルについては3食付いている場合もあり、本人に食事の制限がなければ大きな問題にはなりませんが、自宅住居の場合は食事をどのように調達するか、考える必要があります。

GrabFoodやFoodpandaなどのサービスを使えばデリバリーも可能ですが、一定の費用は掛かるため、自宅で調理が可能なら食材を購入して届けさせるようなことも考える必要があります。

また、ホテルでのSHNではクリーニングのサービス(有料)もあり、自宅に洗濯機がついている場合も問題ありませんが、共用の洗濯機しかない住居でSHN期間を過ごす場合、洗濯についても外部のサービスを利用することになります。

COVID-19検査がある?

SHN以外に、フェーズ2の期間にシンガポールに入国する外国人に課せられるもう一つの義務が、COVID-19に感染しているか否かを調べるCOVID-19検査です。

こちらはどこに滞在していたとしても、政府機関により運営される集中検査施設に移動して行うこととされており、その移動には上記空港からの移動の場合と同様に、専用タクシー会社の中から選んで予約しておく必要があります。

日時はSHN期間中に登録の携帯電話番号にSMSで通知されます。

時間通りこのCOVID-19検査に出頭しない場合、就労許可の剥奪や罰金などの厳しい罰則が下されることになっているため、確実に実施されるよう取りはかる必要があります。

厳密にはいつからいつまで?

SHNは、シンガポール到着直後から1日目が始まり、15日目の正午、シンガポール時間12時まで継続されます。

この時、上記COVID-19検査の結果が知らされている必要もあり、もし何らかの事情でこれが遅れた場合は結果が通知されるまでSHNは終わりません。

もちろん、検査の結果が陽性であれば、自宅待機だったとしても即隔離用施設に移動することになります。

以上、注意点は様々ですが、事前に準備することは難しくありません。

明確な指示が出ている以上、間違いのないようこれに従って活動するように気を付けたいものです。

ご不明な点があれば、以下の連絡先より、お気軽にご連絡ください。


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