ロックダウン中!試用期間中の社員の正社員採用をやめたい…

労務

いつもお世話になっております。
東京コンサルティングファーム・マニラ支店の早川でございます。

 

さてフィリピン・ルソン島は、当初4月14日までと予定していたロックダウンが4月30日までに延期され、現地法人の皆様におかれましては、事業に大きな影響が出ていることと存じます。

そんな中、費用削減のためロックダウン前に採用を決定した社員(試用期間)の採用を取りやめたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最新の労働局(DOLE)からのアドバイザリーをご紹介しつつ見解を紹介していきます。

 

~DOLEからの労働勧告2020年第14号(3月30日発表)~

通常の労働法では、試用期間は6か月を超えてはいけないことになっています。

しかし本勧告では、今回の1か月のコミュニティ隔離措置期間※は、この6か月に含めないものとする、発表されました。
※ロックダウン期間延長前の発表だったため「1か月」と記載されておりますが、延長後、この期間も伸びるのかの発表は現状ございません。

(以下、公式通知を参照)
https://www.dole.gov.ph/wp-content/uploads/2020/04/Labor-Advisory-No.-14-Series-of-2020.pdf

 

つまり、例えばロックダウン前に試用期間中で、すでに5か月間を過ぎていて、ロックダウン期間中に6か月を超えたとしても、自動的に正社員雇用となることはない、ということです。
ただし、正社員雇用としない(試用期間中の解雇をする)場合には、常時と同じく、正社員雇用の基準を満たしていないという理由と、解雇の通知手順を正しく踏む必要はございます。

通常、試用期間(雇用)終了の1か月前までには、解雇通知を行う必要がございます。
これは、その社員の勤務態度・業績等の評価に基づいた解雇の判断のときです。

試用期間は業績不振による採用の取りやめが行えるための期間ではなく、本人の評価のための期間です。

業績不振による取りやめの場合には、他の正社員と同じく整理解雇としての手続きを行うことが推奨されます。
これは一般的に難しい、と呼ばれる手続きです。従業員だけでなく、DOLEへの通達も必要となります。

 

労働紛争を避けるためにも、試用期間社員を本人の評価以外の理由で解雇する場合は、一般的な試用期間の解雇手続きではなく、正社員の整理解雇と同様の手続きを踏まれることを推奨いたします。

ご参考になれば幸いです。個別の相談など、お気兼ねなくご連絡ください。


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東京コンサルティングファーム・マニラ拠点
早川 桃代

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