【会計制度〜③機能通貨〜】

会計

 

こんにちは。

東京コンサルティングファーム
セブオフィスの奥墨愛美です。

前回の会計帳簿に続き、今回は機能通貨についてご紹介致します。

 

会社が取引をする際に主に使用している通貨を、IFRSにおいて機能通貨(Functional Currency)と呼びます。フィリピンにおいては、ペソ通貨の他に、外国通貨であるUSドル、日本円が広く使用されています。フィリピン会計制度により、会社は財務諸表において会計報告に適した機能通貨を使用することが定められています。つまり、売上または仕入取引の大部分がペソ通貨以外の外貨である、または資産または負債の大部分が外貨である場合に、その通貨が会社の機能通貨であるとみなされ、財務諸表を外貨表記で作成します。

 

財務諸表が本来記帳に使用すべき機能通貨ではなく、ペソ通貨で作成されている場合、機能通貨の変更手続のための書類を作成し、SECおよびBIRに対して変更手続を行う必要があります。
具体的には、フィリピン公認会計士が過去2期分の売上高および売上原価(仕入、経費)の各通貨での取引実績を分析します。そして、機能通貨を変更する根拠を文章化し、BIRおよびSECに提出し、変更の申請を行います。会計期中でもSECが申請を受け付けることがありますが、遅くとも会計期末から45日間までに変更申請をすることが定められています。

 

〔機能通貨の変更における主な4つの手続〕
・売上および売上原価の分析、外国為替損益関連の計算
・SECにおけるクリアランス申請
・SECにおける機能通貨変更申請
・BIRに対する機能通貨変更の通知

当局による承認の後、会社は機能通貨表記で財務諸表を作成し、財務報告をすることが可能になります。機能通貨変更前にペソ通貨建てで記帳を行っていた場合、変更前では、外貨取引の都度および毎月末に、外貨取引および債権債務をペソ通貨に換算することになり、外国為替損益が発生しますが、変更後では、外貨取引および債権債務につき、為替換算が不要となり、会計上のミスを防ぐメリットがあると言えます。
一方で税金計算ではフィリピン中央銀行(BSP)発行レートにより、ペソ通貨に換算する必要があるため留意が必要です。

次週もお楽しみください。

 

弊社では法人設立、その後の会計税務までワンストップでサービスを提供しております。本ブログに限らず、ご不明点ございましたらお気軽にご相談下さいませ。

上記について無料セミナーも開催しておりますので
日程についてご確認し、ぜひお越しください。

 

 

東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
奥墨愛美(おくずみ まなみ)

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTOKYO CONSULTING FIRM PHILIPPINE BRANCH)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る