ミャンマーの輸入、輸出の問題点

税務

 

ミンガラーバー、
東京コンサルティンググループ
ミャンマー支社の西野由花(にしの ゆか)です。

 

先週はミャンマーにおける輸出のトレンドについてお伝えしました。
今回は反対にミャンマーにおける輸入についてお話したいと思います。
ミャンマーへの進出を検討している企業様の中にも、気になっている方は多いのではないでしょうか?

 

かつて、軍政下での輸入規制があったミャンマーですが、民生移管後に規制が緩和され、輸入は大きく伸びてきました。
ミャンマーの主要な輸入製品は機械・輸送機器、ディーゼル油を中心とした石油製品や燃料、天然ガスなどの開発資源、植物油、車(2011年に中古自動車輸入が規制緩和されたために急増した日本からの中古車も含まれます)、医薬品、卑金属、タイヤや機械類です。主要な輸出相手国は軍政時代から緊密な関係を保ってきた中国をはじめ、ディーゼル油を中心とした石油製品の多いシンガポール、日本、タイ、マレーシア、インド、インドネシアなどの他、アメリカ、ドイツ、フランスなどとなっています。

かつては中国とシンガポール、タイ、日本の上位4か国が全体の輸入の76%を占めていましたが、好調な経済成長を背景に国内における資本財と消費財の輸入が拡大しており、現在は中国とASEANで全体の輸入量の半分以上が占められており、特にASEAN各国との取引の増加が伺えます、

 

しかしながら、ミャンマーでは厳しい外資規制の他、地場企業についても特に輸入については事前に輸入ライセンスの取得が必要となるなど制限が課せられます。
現在はネガティブリスト形式と言われる、輸入ライセンスの取得が必要な項目が一覧にされており、それ以外の項目についてはライセンスの取得が免除されるようになっています。

 

それでは、ミャンマーの輸入額上位10品目を見ていきましょう(年度は2017年)

  1. 石油を含む鉱物燃料: $3.6 billion (18.6%)
  2. 自動車: $2.2 billion (11.5%)
  3. コンピューターを含む機械類: $1.7 billion (8.8%)
  4. 電子機械、機器: $1.3 billion (6.8%)
  5. 鉄、スチール: $884.6 million (4.6%)
  6. 砂糖、砂糖菓子: $860.7 million (4.5%)
  7. プラスチック、プラスチック製品: $693.5 million (3.6%)
  8. 動物・植物油脂、ワックス類: $685.2 million (3.6%)
  9. 化学繊維: $679.1 million (3.5%)
  10. 鉄・スチール製品: $540.6 million (2.8%)

2017年の貿易では輸出138億ドル、輸入192億ドルと、貿易総額は331億ドルとなりました。輸出入ともに過去最高を更新しましたが、輸入額の伸び輸出額を上回ったため、貿易赤字は53 億ドルとなりました。

 

ミャンマーにおける輸入の上位10品目で輸入量全体の約3分の2以上になっています。
ミャンマーで最も輸入額の高いものは石油精製油です。その後、砂糖、トラック、水素添加油脂、織物、そしてスマートフォンを含めた電子機器と続きます。また、鉱石燃料関係の製品、化学繊維、動植物油脂はここ数年での価格上昇の割合が大きくなっています。
反対に、砂糖や砂糖製品については減少傾向があります。ほかにも、石油を含む鉱物燃料、特に石油ガス・原油に値下がりの傾向がみられました。

 

一方、経済発展による国内エネルギー需要の急増により、ミャンマー政府は一定量を国内大口需要家向けに確保し、タイ、中国へのパイプライン輸出を制限する措置を取りました。しかし、輸出と同時に他国から天然ガスや燃料の輸入も行われているほか、2020年までには火力発電向けの液化天然ガスの輸入を検討しているなど、今後のミャンマーの輸入状況にも更なる変化が訪れるかもしれません。

 

以上がミャンマーにおける輸入の現状となっています。
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ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)

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参考
https://www.rim-intelligence.co.jp/news/select/category/AsianViewPoints/article/630714
https://tradingeconomics.com/myanmar/imports
http://www.worldstopexports.com/myanmars-top-10-imports/

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