ファイナンス・リース(貸手処理)の例題②について

会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引の貸手の処理を例題を用いてご説明させていただきたいと思います。

今回は、前回と同じケースで、直接金融型リースの場合を想定してご説明いたします。

 

例題30 リース業者Aは製造業Bに工作機械のリースを行った。3年間のリースであり、直接金融型リースである。リース支払日は毎年12月31日、年間のリース料は500,000円である。リースの計算利子率は10%である。資産の原価は1,000,000円である。リース開始日は1月1日である。このリース取引にかかる最初の年の仕訳を明示せよ。

 

 

リース開始日にリース資産をメーカーから取得し、リースを開始する。したがって、リース業者が行う取引の実態は金融取引である(お金を立て替えてリース資産を取得し、その立て替え分を後で分割でリース料として受け取る。)。

すなわち、500,000/(1.1)+500,000/(1.1)²+500,000/(1.1)³=1,243,426

Dr    リース資産      1,243,426     Cr   現金          1,243,426

       lease assets                                 cash

       リース売掛金            1,243,426        リース資産      1,243,426

      lease receivables                            lease assets

 

<期末日>

リース料500,000円を受け取る。このリース料はリース資産の販売と考えることによるその受け取るべき代価の一部と、代価を分割払いにしていると考えることによるその金融収益の部分の2つに分かれる。金融収益の部分は売上1,243,426×10%≒124,343であり、差額はリース資産の代価となるため、売掛金を取り崩す。

Dr     当座預金       500,000   Cr    リース売掛金         375,657

    current account                          lease receivables

                                                    受取利息       124,343

                         interest income 

                       

 

今週は以上です。 

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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