ファイナンス・リース(貸手処理)の例題①について

会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引の貸手の処理を例題を用いてご説明させていただきたいと思います。

 

例題29 商社Aは製造業Bに工作機械のリースを行った。3年間のリースであるが、リース資産は戻ってこないため、実質、販売取引である。支払日は毎年12月31日、年間のリース料は500,000円である。リースの計算利子率は10%である。資産の原価は1,000,000円である。リース開始日は1月1日である。このリース取引にかかる最初の年の仕訳を明示せよ。

 

<リース開始日>

リース開始日にリース資産を売却したとみなし、売上原価、売上を計上する。売上原価は資産の原価1,000,000円を振り替える。売上はリース料を割り引いた金額の合計額である。

すなわち、500,000/(1.1)+500,000/(1.1)²+500,000/(1.1)³=1,243,426

Dr    売掛金       1,243,426     Cr    売上         1,243,426

  accounts receivable                        sales

      売上原価            1,000,000      棚卸資産     1,000,000

  cost of goods sold              inventory

 

<期末日>

リース料500,000円を受け取る。このリース料はリース資産の販売と考えることによるその受け取るべき代価の一部と、代価を分割払いにしていると考えることによるその金融収益の部分の2つに分かれる。金融収益の部分は売上1,243,426×10%≒124,343であり、差額はリース資産の代価となるため、売掛金を取り崩す。

Dr     当座預金       500,000     Cr    売掛金         375,657

    current account                          accounts receivable

                                                    受取利息     124,343

                         interest income 

                       

 

今週は以上です。 

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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