カンボジア企業経営のお困りごと:財務の問題

 

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア企業経営のお困りごと:財務の問題」についてお話しします。

 

財務の問題とは、資金繰りがうまくいかなかい、予算達成ができないなどといった問題となります。こうした問題に対しては、お金の流れを可視化して、早急に処置すべきかどうかを決定しなければなりません。

ここでのポイントは、お金の流れの可視化です。全ての経営者に経理部長などの経験があるわけではありませんので、恐らく財務諸表を見ているだけでは多少なりとも時間がかかってしまいます。そこで、時間をかけず、一発でお金の流れを理解するために、以下のような図を作成することをオススメしています。

 

 

この図はCVP分析といい、コストを変動費と固定費に分解することから始め、売上から変動費を差し引いた限界利益(グロスマージン)を算出します。さらに人件費を除く固定費を差し引いたものを純限界利益(ネットグロスマージン)と呼びます。そして、これを3つに分配します。

→ 社員へ (固定給・賞与=プロフィット・シェアリング)
→ 会社へ (内部留保・返済・分配)
→ 社会へ (国に対して払う税金+CSR)

 

すると、自然とお金の流れ、そしていくら会社に現金が残るのかが一目でわかります。現在のお金の流れを理解できたところで、次に最適な分配を考えなければいけません。どこにいくらのお金を使うのかという基準値を設定し、そのための改善を行います。

 

例えば、固定費は有効性と効率性とに分けて考えます。有効性のある固定費とは企業にとって売上を上げるパワーとなる投資です。経費の削減と謳って有効的な固定費まで削減してしまうと、売上げも減らしてしまうことになりかねません。効率性を考えて削減する固定費を決定することが重要になります。

 

また、会社のあるべき労働分配率を設定することも必要でしょう。一般的に中小企業の場合、ネットグロスマージンのうち社員への分配は6割が理想と言われています。その分配されたうち、固定的な報酬を給料、残りを賞与と考えます。

 

社員に対して、ネットグロスマージンを増加させることは社員の給与・賞与を増加させることに直接繋がることをオープンにし、都度伝達していくべきです。無駄な経費を削減することで、自らが恩恵を受けることを理解し、社員もまた会社から無駄な費用を減らそうと行動するようになります。

 

次回は、カンボジア人社員の実行力を高める方法について見ていきたいと思います。

 

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎

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