カンボジア企業経営のお困りごと:プロセスの問題

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア企業経営のお困りごと:プロセスの問題」についてお話しします。

 

カンボジアにおける企業経営での3つのお困りごとの2番目、プロセスの問とは、つまり行動の問題です。社員の行動力・実行力が足りていないと財務に問題が出てきます。

 

インターネットが普及し情報が簡単に手に入る時代においては、戦略のみで他社と差別化を図ることが難しくなりました。そして、戦略ではなく戦略の実行力を高めることが他社との差別化を図る方法となります。

企業では次年度予算や中期計画を立てることに多くの時間を使う割に、立てた予算通りに全くいかず、よくわからないまま次年度予算を立てるといったサイクルに陥っているケースが散見されます。予算の実行性を細かく分析しても、アクションが全て現場任せになってしまっており、マネジメント層は、なぜやらないのか、なぜできないのか、と常にストレスを感じることとなります。

 

お困りごとの1番目、人の問題でも話したとおり、経営者と社員では危機感が全く違います。経営者は、会社の存続性のため、予算の達成がどれだけ重要か、経験や肌感覚で分かっています。その感覚は、カンボジア人社員には無いものです。

 

どんなに有効な戦略であっても、行動が伴っていなければ目標達成はできません。そこで、財務諸表のみの業績評価だけではなく、多面的な業績評価指標を設けましょうというのが、 バランス・スコアカード考え方です。バランス・スコアカードとはビジョンと戦略を明確にすることで、財務数値に表される業績だけではなく、財務以外の経営状況や経営品質から経営を評価し、バランスのとれた業績の評価を行うための手法です。

 

バランス・スコアカードは、財務の視点、顧客の視点、プロセスの視点そして組織の視点の4つで構成されており、それぞれ会社の目指すビジョンを達成するための具体的な行動指標になっていなければなりません。これが、戦略を実現させるための重要なツールとなるのです。

この図を知っている経営者は多くいますが、これを自分の会社に置き換え実践している経営者は少ないように思います。日本でもカンボジアでも経営の意味は変わりません。そして、教科書通りの経営が新興国カンボジアでは特に有効になるのです。

 

次回は、このバランス・スコアカードについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

 

西山 翔太郎

 

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