カンボジアへの進出について

法務

皆さま、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。

 

今回は、カンボジアに進出方法と、進出形態についてお話ししたいと思います。

 

まず、カンボジアの進出方法は大きく以下の3つの方法があり、それぞれによって所轄の審査機関が異なります。

1.経済特区内の適格投資案件(Qualified Investment Project: QIP)

2.それ以外の場所で実施されるQIP

3.適格投資案件とならない通常の投資案件

審査機関は、

経済特区内のQIPは、経済特区管理事務所

それ以外の場所で実施されるQIPは、カンボジア投資委員会

通常の投資案件は、商業省(MOC)、租税総局(GDT)、労働職業訓練省(MLVT)

となっております。

 

通常の投資案件において、進出形態は、大きく6つの形態があります。

1.駐在員事務所
主に、親会社との業務連絡や情報収集を目的として設置される形態です。商業的活動は認められておらず、会社法274条によると、その業務は市場調査の実施、展示会の開催などに限定されており、現地スタッフとの雇用契約や賃貸借契約など以外の契約の主体にはなってはならないとされております。

2.支店
外国会社がカンボジア国内に支店を通して、事業を行うことができます。支店は、法人格を有しておらず、債務債権はカンボジアの会社に直接帰属することになります。権利能力や課税に対して、現地法人とほとんど変わりはありませんが、QIPの適用がないという点が支店だと考えられます。

3.現地法人
形態は、原則的に有限責任会社となります。最も多く用いられている形態で、多くの場合、親会社の子会社として設置されています。
有限責任会社は、外国企業の100%出資により設立することができます。また、出資比率には、100%カンボジア資本、100%外国資本、カンボジアと外国資本の合弁の3種類が存在しています。外国資本が51%以上の場合は「外国法人」となり、それが50%未満の場合には「内国法人」と定義されています。

4.パートナーシップ
医者、弁護士、会計士など専門家に適した会社法上認められた形態です。パートナーシップは複数の関係者間の契約で、「一般パートナーシップ」と「限定パートナーシップ」の2種類が規定されています。
「一般パートナーシップ」は、2名以上の人や会社が事業を営むために結ぶ契約であり、各パートナーは共同出資者として利益を共有し、事業運営を実施することができます。債務については、無限責任を負います。一方で、「限定パートナーシップ」は、1名または複数の一般パートナーと契約することで成立します。限定パートナーシップは、資本充実に対してのみ拘束を受けます。なので、限定パートナーは、出資に応じた金額または資産価値を限度として、責任を負うだけに留まります。

5.事業協力契約
カンボジア政府または公的機関と共同事業を行い、その事業に出資する代わりに利益配分を受ける形態です。新たに法人を作るのではなく、事業活動から収益を分け合う形態となります。

6.個人事業主
法人などを設立せずに個人事業主として商業省での登録がカンボジアでは可能です。商業省の本局と所轄地域の商業省窓口にて登録を行う方法があります。しかし、所轄地域の担当者によっては必要書類が異なるケースがあり、注意が必要とされています。

 

またQIPについて、通常の投資案件でも適用されるのですが、適用される形態は現地法人のみとなっています。

 

今回は、これで以上といたします。

今週も読んでいただき、誠に有難うございます。

次回も皆様に有益な情報を提供できたらと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

安藤 朋美

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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