カンボジアの最低賃金

労務

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。

 

今回は、カンボジアの「最低賃金」についてお伝えしたいと思います。

 

 

カンボジアの最低賃金は、製靴、繊維および縫製業を対象に決められています。

そして、これは年々引き上げられている傾向にあります。

下記の表のように、1997年は、月額40ドルであったことに対し、その20年後の2017年には、月額153ドルに引き上げられています。

そして、2018年から月額170ドルへ更に引き上げられています。

 

施行年

最低賃金額(ドル)

1997

40

2000

45

2007

50

2010

61

2013

80

2014

100

2015

128

2016

140

2017

153

2018

170

 

最低賃金額は、労働法に基づいて、労働諮問委員会が政府に勧告する額によって決められています。毎年7月から検討を始め、10月には最低賃金額を決定し、翌年から施行するという流れになっております。

最低賃金額は、コンセンサス方式が採用されていますが、決まらない場合は、投票による過半数以上によって決められています。場合によっては、首相の指示によって引き上げられる場合もあり、2015年から2018年では、フン・セン首相が委員会によって決められた額に5ドル上乗せし、その額に決まりました。

 

また、2016年から最低賃金額を決める要素は、家族の状況、インフレ率、生計費という社会的基準、生産性、競争力の確保、労働市場の状況、各部門の利益率という経済的基準の7つの要素となっております。これはILO条約第131号という条約よって定められています。

 

 

 

このように、カンボジアの最低賃金は「安価」と言っても、徐々に高くなっていることがわかります。また、近年では条約で定められた要素によって最低賃金額を定めているということから、カンボジア国内に進出した企業が増えれば、徐々にまた賃金が引き上げられると言えるのではないでしょうか。

 

 

今週は以上となります。

読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

安藤朋美

 

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