「取締役」

法務

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週もカンボジアの会社法について、皆様にわかりやすくご説明させていただきたいと思います。

 

今回は取締役についてご説明します。カンボジアにおいて、19歳以上の法的能力のある自然人であれば、取締役を務めることができます(120条)。またこの他に要件が定められているわけではないため、全員外国人または外国居住であっても問題はないと解されています。

また、取締役の選任、解任は、株主総会の普通決議事項となります(118条3項、124条)。取締役の人数に関しては私的有限責任会社なのか、公開有限責任会社なのかで規定が異なります。私的有限責任会社の場合、取締役は最低1人定めなければなりません。公開有限責任会社の場合、取締役は最低3人定めなければなりません。取締役の任期は原則2年となります(121条)。取締役は、会社の種々の業務執行を行う権利を有します(119条)。

 

 

 

 

第118条(取締役の人数)

1私的有限責任会社の取締役は1人以上とする。

2公開有限責任会社の取締役は3人以上とする。

3株主は、議決権を有する株主による普通決議によって取締役を選任するものとする。

第119条(取締役の権限)

取締役会は会社の事業を経営し、業務を執行しなければならない。定款には次に掲げる取締役の権限を記載しなければならない。

(1)執行役員の任免及び権限の決定

(2)執行役員の給与及びその他報酬の決定

(3)取締役の給与又は報酬額に関する議案の作成及び株主への提案

(4)手形、社債、無担保債券及びその他の債務証書の発行、及び、これらの本質的、相対的及び付随的内容の決定

(5)株主への定款の修正及び削除の提案

(6)株主への吸収合併及び新設合併の提案

(7)株主への会社財産の全て又は重要な一部の譲渡の提案

(8)株主への解散及び清算の提案

(9)会計原則と各種類株式の支払条件に従った配当宣言

(10)定款で認められた範囲での株式発行

(11)借入

(12)証券の発行、再発行及び売却

(13)保証

(14)会社債務を被担保債権とする会社財産に対する抵当権の設定、担保契約、入質又はその他の担保権の設定

(15)各会計年度の決算書の作成及び株主総会への年次財務諸表の提出

第120条(取締役の資格要件)

19歳以上の行為能力を有する自然人は、取締役又は執行役員に就任することができる。取締役は株主である必要はなく、また、定款に別段の資格要件に関する定めがある場合を除き、その他に資格要件は存しない。

第121条(取締役の任期)

定款が任期を定めていない場合、各取締役は2年毎に選任されるものとする。取締役は再任することが可能である。

第122条(取締役の任期)

全取締役の任期が同年度に終了することがないよう、各取締役の任期はずらすことができる。

第124条(取締役の解任)

取締役は、理由の有無にかかわらず、取締役ついて議決権を有する株主の過半数の賛成によって解任することができる。

 

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   

 

 

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