利益を移転できるのか?

税務

こんにちは、カンボジア駐在員の市坪です。

今回は共同出資者間で利益を移転できるのかについて見ていきたいと思います。

複数の企業が共同出資で、赤字の企業Aと黒字の企業Bの2社を所有しているという例を考えてみましょう。この場合、カンボジアの税法ではこれらの2企業間では損益を相殺することができません。企業Bは法人税を納税しなければならない一方で、繰越欠損金がある企業Aでは最低代替税のみを支払うこととなります。これらの企業は当然、黒字の企業から赤字の企業へ利益を移転させ、企業Bの法人税を抑えようとします。この場合、税務局はどう対応するのでしょうか。

税法第18条によると、もし何らかの節税の動きがあった場合、税務局は関連する企業間で所得を再分配することに関して幅広い権限を有しています。
以下はその第18条の引用文です。
「法人組織であろうと、カンボジア王国内又は国内外で組織されたものであろうと、共同出資者のもと2つ以上の企業がある場合、租税管理は総所得、控除、その他の利益を企業及びそれらの共同出資者の間で、租税回避又は脱税を防ぐ目的で、若しくは企業及びそれらの共同出資者の所得を明らかに反映する目的で、必要的に配置されなければならない。
本条において、ある者が価値又は各企業の持分において20%以上を有する場合には、2つ以上の企業は共同出資者のもとにあるといえる。」

しかし実際この規定は、様々な理由で実行に移されにくくなっています。ほぼ全ての国で、共同出資者間の価格操作による課税利益の動きに対しては法規定があります。しかしカンボジアでは、収入がどのように再配分されるのか、控除されるのかということが明細に記されておらず、結局は税務局の主観的な判断に任せられていることになります。
しかし、カンボジアで企業の正確な利益を判定するのには、どの基準を用いればいいのでしょうか。
国際基準としては、共同出資者間で税の取引がされる時、アームズレング原則(独立企業間価格)が用いられます。これは、複数企業間で各企業の価格が独立していることを意味しています。言い換えると、関係していない企業同士は、自身の価格や条件を用いるべきということになります。
カンボジアでは、とりあえず税法第18条が所得移転に対して規定している根拠となっていますが、実際の事業運営ではこの国際基準を念頭に置いておくことがよいと考えます。

以上

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2019-10-23

株式会社東京コンサルティンググループ

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