ブラジルNota Fiscal(税務伝票)とPO(注文書)の発行に関して

税務

 

こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルです。
今週は、ブラジルNota Fiscal(税務伝票)とPO(注文書)の発行に関して記載します。

 

ご質問)
会計事務所にNota Fiscalの発行を依頼する際に注文書が必要なのですが、会計事務所曰く、注文書としてメールのやり取りだけでいいと言われました。通常、海外からブラジルへ輸出する際には必ず注文書が必要であり、国内商売でも同じかと思っておりましたが、現地担当者はメールのやり取りでの売買は通常行われており、スタンダードだと言ってます。

もし、お客さんからの支払い遅延の問題が生じた場合に、担当者同士の単なるメールのやり取りの写しがエビデンスとして効力があるのでしょうか。ブラジルでは一般的にはどのような方法が一般的なのでしょうか。

 

また、先日お客さんとの支払い条件について交渉しましたが、全く持って前受金条件を呑んでくれませんでした。ブラジル国内で前受金はあまりないと聞きましたが、そういうものでしょうか。前受金はそんなに難しいものでしょうか。

 

 

ご回答)
まず、Nota発行についてですが、ブラジルにおいても、POの発行は通常取引において行われています。しかし、注文条件の無い単純な取引においては発行されていません。Nota Fiacal上(システム上)は支払期日や支払い条件などを記載することが出来ないため、POが無くてもNota Fiscalの発行自体は行えます。

要するに、企業名、CNPJ、住所、サービス内容(分類)、サービス請求額等の基本情報があれば、Nota Fiscalは発行出来ます。発注条件を詳細に記載し、取引証憑として保管することは企業コンプライアンス上重要ですが、POをNota Fiscal発行の条件としていない企業もあります。また、ブラジルの商習慣上は、Nota Fiscalの発行が取引の成立時点と見做し、税務上の収益認識もNota Fiscal発行時点となりますので、発行日から起算した日数に応じて、関係する税金の支払が行われます。

 

しかし、Nota Fiscalのみ発行した場合、上記の通り取引詳細をNota Fiscalに記載することが不可能なため、サービス内容、数量などが不明となり、補完文書としてPOや企業が任意で作成した請求書が使用されています。ただ、ブラジル国内の取引においてPOは一般的に使用されている文書ですので、貴社の取引条件としてPOの発行を指定することは十分可能です。
また、企業コンプライアンスの観点からも、POの発行を依頼することをお勧めいたします。メールでのやり取りに関しては、法的な文書としてはほぼ無効だと考えます。

 

次に、前受金についてですが、確かにブラジルではあまり一般的な取引方法ではありませんが、実際に前受を取引条件として設けている企業もあります。上記POにおけるNota Fiscalの発行と少し関係しますが、例えば、PO記載の発注条件として、20%の支払を確認した後に商品の発送を行い、受取時点にて40%の支払、その後1ヵ月以内に残りの40%の支払としているブラジル企業もあります。引き続き前受制度を設け、交渉する余地は十分にありますが、取引に応じて臨機応変に対応する必要があるもの事実です。

 

 

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
濱咲克心

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