進んでいないバングラデシュのキャッシュレス化

 

バングラデシュにおいては、クレジットカードやデビットカード等のデジタル決済が国内全取引のうち6%程しか占めておらず、現金依存度が高い経済であると言えます。隣国インドのデジタル決済は20%程になっています。キャッシュレス経済への移行が円滑な取引を促進させ、また現金保管のリスクやコストを下げることで、経済発展のための原動力になると言われています。

 

バングラデシュでは紙幣の増刷や流通に多額の支出を行っており、その額も大幅に増えています。2016年度の支出額はその4年前と比較すると22%増加しているとのデータもあります。この現金の流通量の増加に伴い、銀行のある支店から別の支店に現金を送る際、武装警備隊を雇用したり、特殊な車を使用する必要性が生じ、手間やコストがかかっています。

 

キャッシュレス化に向けた動きの例として、近年、Mutual Trust Bankが給与受給者のための給料デビットカードを発行しました。このカードの導入は、雇用主から労働者への給与の支払いを円滑にし、さらに給与受給者の支出方法の選択の幅を拡げることができると期待されます。ある調査によると、クレジットカードやデビットカードの使用率が1%上がればバングラデシュGDPの成長率は0.02%上昇するとされています。

 

キャッシュレス決済が進むことによって、一般消費者の消費量が増加するだけでなく、換金の必要性が無くなることで、年々増加傾向にある外国人観光客がさらに増加することで経済発展が進んでいくと考えられます。

 

 

Tokyo Consulting Firm Limited
濵田健生

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