バングラデシュでサプライヤーからモノを購入する場合もしくは、何かしらのサービスを受けた際に請求書(Invoice)が発行されるとサービスを受けた側及びモノを購入した側に課せられる税務コンプライアンスがあります。
バングラデシュでは、税法上、Value Added Tax(VAT:付加価値税)とAdvanced Income Tax(AIT:前払い法人税)を毎月納付することとなっています。さらに、VATとAITの納税者はサービス提供者ではなく、サービスを受けた側に源泉し納税する義務があります。(実務上は、サービス提供側が支払うこともあります。)
納税の期間と実際の納税者が日本の税法とは大きく異なるため予め把握しておく必要があります。以前は、税務のコンプライアンスに対する税務署からの指摘は全ての会社にされるものではありませんでしたが、2018年7月の税法改定を受けて今後、税務署からの指摘が厳しくなっていく可能性があります。
① サービスの場合と、②モノの提供の場合では、税率が異なります。
VAT(Value Added Tax)とAIT(Advanced Income Tax)それぞれの算出方法は下記の通りです。
【具体例①サービスの場合】A社がB社から9,000BDT(AITを除いたNETの金額)のサービスを受けた場合
① B社が請求書を発行する。
[請求額] サービス金額9,000BDT + VAT(15%)1,500Tk② A社は、AIT(10%)1,000BDTを源泉した額の9,000BDTを小切手でB社に支払う。
A社は、9,000BDTに対するAIT(10%)1,000BDTとVAT(15%)1,500VATの2,500BDT分のChallan(納付書)を作成し税務署へ納付する。
AIT1,000BDT=9,000BDT×90%
VATはAIT込みの金額10,000BDTに15%をかけて計算します。
VAT=10,000×15%=1,500BDT
【具体例②モノの提供の場合】
A社がB社から9,800BDT(AITを除いたNETの金額)のサービスを受けた場合。
① B社が請求書を発行する。
[請求額] モノの金額9,800BDT + VAT(5%)500Tk② A社は、AIT(2%)200BDTを源泉した額の9,800BDTを小切手でB社に支払う。
A社は、9,800BDTに対するAIT(2%)200BDTとVAT(5%)500VATの700BDT分のChallan(納付書)を作成し税務署へ納付する。
AIT200BDT=9,800BDT×98%
VATはAIT込みの金額10,000BDTに5%をかけて計算します。
VAT=10,000×5%=500BDT
1,500,000BDTまでのモノの購入の場合、AITは2%です。1,500,000BDTを超える場合は、金額に応じて税率が異なります。
現地で発行される請求書や見積書にはAIT込みでサービス金額を表示している場合もありますが、多くの場合は、例のようにAIT抜きの表示になっています。もし請求書にAITに関する記載がない場合には、見積金額以上の費用が発生する可能性が高いため、費用見積時にご確認されることをお勧めします。
以上
Tokyo Consulting Firm Limited
齋藤かおり
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