バングラデシュのインフラ環境(デメリット)

中国における人件費の高騰を受け、多くの日系企業がバングラデシュに進出を始めているのは周知のとおりです。当然、バングラデシュ進出企業の多くは、同国の安い人件費に魅力を感じて進出しますが、実際には輸送コストなど人件費以外のコストが高くつき、期待したほどのメリットを得られない場合があります。

例えば、アジア諸国から日本へのコンテナ輸送費(40ftコンテナ/最寄港→横浜港)を比較してみると、バングラデシュからの輸送費は約1,500USドルです。一方で、中国(上海)からの輸送費は約400USドルと約4倍もの差が有ります。他にも、ベトナム(ハノイ)は約800USドル、タイ(バンコク)は1,300USドル、インドネシア(ジャカルタ)が約900USドルと、バングラデシュより軒並み安くなっています。

輸送費もさることながら、製品輸出の主要港であるチッタゴン港は、混雑が頻繁に発生しているため、輸送のスケジュール管理が困難となっています。実際に進出した企業からも不満の声が挙がっています。その他、法制度が未発達であるため、行政手続はとても遅く、賄賂を求められるケースもあります。また担当者による解釈の違いにより、確認作業に多くの手間がかかることも少なくありません。これもビジネスの弊害となっています。

また、バングラデシュは5月から9月の雨季は降水量が多いため、洪水が発生しやすく、同国の経済発展の大きな足枷となっています。バングラデシュの雨季1カ月当たりの降水量は、日本における梅雨のほぼ2倍となっていることからも、いかに洪水が発生しやすいかを推測することができます。

こうした事態はバングラデシュ政府も問題視してインフラの整備に着手していますが、現在の所はまだ十分な結果はでておらず、改善が望まれるところです。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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