バングラデシュにおける費用の認識方法

会計

企業会計原則の中に「費用収益対応の原則」がありますが、バングラデシュでは、経理スタッフの中にこうした概念があまりないように感じられます。特に月ごとの損益を分析すると、月ごとに粗利率や利益率が大きく変動していることが見受けられます。

 

これには費用の認識方法が大きく関わっており、①税金の計算が毎月適切に行われていないことから、税金の支払いベース(不定期)で費用認識を行っていたり、②また退職給付金・賞与を引当計上していないことから、従業員の退職月もしくは賞与月に費用が多く計上されたり、③時には、現金主義で会計処理を行っているため、請求書を受取っていても未払計上を行っていないため、その支払いを行った月に費用が多く計上されているケースもあります。④また、在庫管理が適切に維持されていないため、原材料を購入した際に、一部在庫ではなく費用として直接計上されてしまっているケースもあります。

 

この背景には、会計処理を行う経理スタッフの中に、“会計は分析を行うもの”という考えがなく、ただの事後処理としての位置づけで数値を入力しているということが挙げられます。年に一度、法定監査を行う必要がありますが、月に一度の会計分析を行うという感覚が弱く、遡及修正を行ってしまっているケースも見受けられます。

 

継続してビジネスを行うためには、将来どのようになりたいのかを描く必要があります。そして、その将来像の達成のためには、必ず現実からスタートしなくてはなりません。その現実を正しく認識するためには、正しい現実の把握の仕方があります。今一度、現在の会計データが分析可能なものかを精査していただく事をお勧めします。

 

Tokyo Consulting Firm Limited
渡邊 忠興

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