トルコでの自動車産業事情

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコでの自動車産業事情について書かせて頂きます。

自動車産業はトルコ最大の産業で、自動車生産台数は世界第17位(2014年実績)、欧州最大のバスの生産国であり、また軽商用車(LCV)とトラック生産では欧州第3位(2012年実績)の生産国です。

トルコの自動車産業は、世界の大手自動車メーカーと国内の大手財閥との合弁事業によって急拡大しています。2007年に生産台数が100万台を突破し、世界金融危機の影響で2009年には落ち込んだものの、2010年にはV字回復し、2011年には約119万台となり、輸出、国内販売ともに過去最高を記録しました。2014年も約117万台と引き続き100万台の大台をキープしています。

輸出台数については、2013年から2014年にかけて輸出台数が88万5,000台となりその結果228億米ドルの収益を上げており、今後も自動車産業がトルコの輸出部門を牽引することが期待されています。

トルコ自動車産業成長の背景には、西欧の先進国に比べて生産コストが安いこと、他の中近東や北アフリカ諸国には見られない条件として、多くの部品を調達する必要がある自動車産業に必須である裾野の広い製造業がバランスよく発達していることなどがあります。また、トルコは東欧やロシア・CIS、中近東などの新興市場に近いという地理的条件下にあり、かつ良好な関係が結ばれています。さらに、近年の安定的な経済成長に伴う内需の増加でマーケットとしての魅力を急激に向上させているといえます。

EUの生産拠点としてトルコの自動車産業は、新興市場への拠点としての重要性を増しています。EUの経済停滞や、隣国シリア情勢に代表される、「アラブの春」以降の中近東情勢など、不安定要素を抱えつつも、なおかつ発展が期待される産業の1つです。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城

 

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