タイの「恒久的施設」とは

 

皆さま、こんにちは。タイの安藤です。
タイでいろんな場面で出てくるワード「恒久的施設」「PE」って何か?ということについて、今回は話したいと思います。

 

恒久的施設(Permanent Establishment、PE)とは、
一般に事業を行う一定の場所などのことをいいます。PEの有無は、企業が海外(タイ)で事業を行う際に、その活動から生じる所得がタイでの税務当局の課税権に服するか否かを決定する重要な指標となります。

タイでは租税条約によると、PEの状態は3つに分類されます。

  1. 資産PE
  2. 活動PE
  3. 代理人PE

 

1 資産PE
事業所、支店、事務所といった“事業上の特定拠点”をいい、その拠点を通じて日本法人の事業がタイにて行われるものをいいます。

 

2 活動PE
日本法人の従業員等がタイで行うサービス活動をいい、当該活動が同一のプロジェクトまたは複数の関連プロジェクトについて、12ヵ月間のうち合計6ヵ月を超えて継続するものをいいます。また、3ヵ月を超えて継続する整地、建設、据付、組立工事またはこれらに関連する監督活動も、この活動PEに含まれます。

 

3 代理人PE
日本企業の代理人として契約を締結したり、日本企業所有の商品在庫を保管し、日本企業の代わりに定期的に受注・出荷業務を行ったり、日本企業の代わりに受注活動を行う個人あるいは法人をいいます。
しかし問屋、ブローカー等、通常の事業としてこれらの業務を行う代理人は独立代理人とされ、日本企業がPEを通してタイで事業を行っているとはみなされません。ただし、代理人が特定の日本企業のために活動しているのであれば、独立代理人とはなりません。

 

そして、PEを設けて事業活動を行う場合には、タイでの納税義務が発生します。タイでPEが存在しなければ、タイでの納税義務が発生しないというのが国際課税の原則となっています。

 

しかし、法的にPEを有していない場合であっても、実態としてタイにおいて所得が発生しているとみなされる場合には、非居住者に対してもタイ側で課税権が発生することになります。さらに、納税者側で所得認識がない状況下で税務申告を行っていると、PE認定課税によって二重課税の問題が生じる可能性があります。

そのため、PEをしっかり自社で認識している必要があります。

 

今回は以上といたします。
今週も読んでいただき、誠に有難うございます。
本ブログがご活躍される駐在員の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いです。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム  タイ拠点
安藤 朋美

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

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2019-10-23

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