退職・解雇時のトラブル防止と就業規則見直しについて

  • 2018-11-15
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お客様各位

お世話になっております。

東京社会保険労務士法人の東郷です。

 

今回のメルマガのテーマは「退職・解雇時のトラブル防止と就業規則見直しについて」についてです。

 

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目次

一.退職・解雇の種類

二.解雇に至るまでのプロセス

三.解雇における注意点

四.就業規則への記載について

五.東京社会保険労務士法人にできること

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一.退職・解雇の種類

解雇を行う場合には30日前に予告をしなければなりません。30日期間には休日も含み、暦日数で計算します。予告が難しい場合は平均賃金の30日分の解雇予告賃金を払う必要があります。

 

<普通解雇>

整理解雇、懲戒解雇以外の解雇です。

労働契約の継続が困難な事情があるときに限られます。

例)・勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善の見込みがないとき

・健康上の理由で、長期にわたり職場復帰が見込めないとき

・著しく協調性に欠けるため業務に支障を生じさせ、改善の見込みがないとき

 

<整理解雇>

会社の経営悪化による、人員整理を行うための解雇であり、下記の4点をいずれも満たすことが必要です。

①整理解雇することに客観的な必要があること

②解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと

③解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われていること

④労使間で十分に協議を行ったこと

 

<懲戒解雇>

労働契約法16条では「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したとして、無効とする」とあり就業規則に記載があるといってどんなことでも懲戒解雇はできません。

従業員が極めて悪質な規律違反や窃盗や傷害等非行を行ったときに懲戒処分として行うための解雇です。就業規則や労働契約書にその要件を具体的に明示しておくことが必要です。

 

※解雇予告が不要な場合

「従業員の責に帰すべき理由による解雇の場合」や「天災 地変等により事業の継続が不可能となった場合」には、解雇予告や解雇予告手当の支払いをせずに即時に解雇することが できます。ただし、解雇を行う前に労働基準監督署長の認定 (解雇予告除外認定)を受けなければなりません。

 

二.解雇に至るまでのプロセス

問題を起こした社員については、企業側が問題点を注意・指導する等して改善する努力をするべきとされる。十分手を尽くしたうえで問題点が改善する余地がない場合、自主退職の促しや解雇の検討に至ります。

 

①上司による注意・指導

②職種転換

③降格・降職

④解雇以外での懲戒処分

⑤人事考課以外での低査定

⑥退職勧奨

⑦解雇の検討

 

上司が部下に注意・指導を行う際は部下の人格否定にならないように教育を施したという事実を証明するため指導に関する資料を文字に残しておくことが重要になります。

退職勧奨のために執拗すぎる働きかけを行った場合には違法となります。

本人が一度明確に退職しない旨を意思表示した後に、自己退職をすすめることは執拗すぎると判断されることがあるため、退職しない本人の意思表示の後の退職勧奨は差し控えることが無難です。

 

三.解雇における注意点

裁判において解雇事案では下記のような点が着目されます。

 

・解雇前に配転や職種の変更等を行ったか

別の上司の下で異なる業務に従事し能力を発揮する機会を与えたか

 

・会社側の落ち度はないか

教育・研修が不十分、上司の指示内容が不適切・不明確等、会社側にも責められるべき点があれば、従業員のみの解雇は不公平

 

・新卒か中途採用者か

新卒であれば企業の教育・指導により一人前に育てるため最大限の努力を行うべきであり、能力が低いというだけでは解雇できない

 

・勤務態度不良の程度

顧客からのクレーム等の実害が生じる事実は解雇に向かう判断材料となる

 

・問題発生の回数

同種トラブルの繰り返しは解雇に向かう判断材料となる

 

四.就業規則への記載方法

トラブルが発生した際には、就業規則上での明記の仕方がポイントになります。

 

⇒能力不足・勤務成績不良の際

「勤務態度が不良で改善の見込みがない時」「社員としての協調性・適格性を欠いていると認められるとき」などの文言を盛り込まれるケースが多いです。

上記規定の権利行使においては、①勤務態度の不良・協調性の欠如の程度と②注意指導による改善の機会付与が個別の事例として取り上げられ、妥当性を問われます。

 

⇒長期間所在不明者の取り扱い

懲戒事由として「無断欠勤が14日以上に及ぶとき」などの定めが置かれることが多いです。

この場合、解雇の意思表示が到達するかが重要になるため、一般的には同居の親族、家族などに交付されたときにも、到達したものとみなされることになります。

 

他にも、「1か月以上無断欠勤が続いた場合は、当然退職とする」という規定を設けておき、自動退職扱いにすることも有用であると考えられます。

 

⇒身勝手な自己都合退職者について

退職の意思表示が行われてから、退職理由の変更や、有給消化により出社しないケースや業務の引継ぎが行われないまま退職するトラブルがあります。

これに対しては、①規定に「退職時の引継ぎを行うこと」を明記 ②退職の申し出後に、その内容を確認する「合意書」の作成 ③退職者に対して情報漏洩を禁止する規定を盛り込む

などが対策として挙げられます。

 

五.東京社会保険労務士法人にできること

働き方改革が進むにつれ、企業でのコンプライアンス遵守の動きが高まると同時に、数年前にはトラブルにならなかったようなことに対しても対策を講じていく必要があります。

 

弊グループでは、貴社で発生したトラブルに対しての個別のご相談や、就業規則作成時のアドバイスに加え人事評価制度と結びつけた規定整備のご提案も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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【発行】 東京社会保険労務士法人

【担当】 東郷友哉

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