割増賃金率について

労務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

長く続いた雨季がようやく終わり、乾期に入って青空の見えることの多くなったマニラでございます。大きな台風被害のために例年より控えめな形にはなっているようですが、ホテルやショッピングモールは綺麗なクリスマスツリーや色とりどりのイルミネーションに彩られ、南国のクリスマスが盛り上がってきている今日この頃でございます。

 

今週は割増賃金率について、お話させて頂きます。

まず、フィリピンにおける割増賃金率は以下のようになっております。

【フィリピンにおける割増賃金率】

名称 割増賃金率

時間外労働

通常の就労日125%
休息日や祝祭日130%

夜間労働(午後10時~午前6時)

110%

休息日の労働

130%

特別祝祭日労働

130%

特別祝祭日が休息日と重なる場合の労働

150%

一般祝祭日

200%

一般祝祭日が休息日と重なる場合の労働

260%

よく聞かれるところですが、時間外労働(1日のうち8時間を超えた部分の労働)と夜間労働の重なった場合の割増賃金率は、以下のような計算方法を用います。

(例)通常の就労日における時間外労働が午後10時以降に行われた場合の時間単価
→時間当たりの基本給単価×125%(時間外労働分)×110%(夜間労働分) 

つまり、ある割増賃金が他の割増賃金と重なった時は、両者を掛けて割増賃金率を算定するのが原則になっています。 

ただ、これには1つ例外があり、例外は特別祝祭日が休息日と重なる場合の割増賃金率150%です。この場合には前述のように、特別祝祭日の割増賃金率130%と休息日の割増賃金率130%を掛けるのではなく、150%という特別な割増賃金率を用います。根拠条文はフィリピン労働法93条になります。

参照条文:フィリピン労働法93条
Art. 93. Compensation for rest day, Sunday or holiday work.
休息日や日祭日の報酬
c. Work performed on any special holiday shall be paid an additional compensation of at least thirty percent (30%) of the regular wage of the employee.
 →特別祝祭日に働いた場合には、通常の賃金の30%以上の割増賃金を受けるものとする。
Where such holiday work falls on the employee’s scheduled rest day, he shall be entitled to an additional compensation of at least fifty per cent (50%) of his regular wage.
 →特別祝祭日が従業員の休息日と定められていた場合に勤務した際は、通常の賃金の50%以上の割増賃金を受けるものとする。 

最後に、2013年の残りの一般祝祭日、及び2014年の一般祝祭日は以下のようになっております。

【2013年】
12月25日 クリスマス
12月30日 リザールデー 

【2014年】
1月1日 元旦
4月9日 勇者の日
4月17日 聖木曜日
4月18日 聖金曜日
5月1日 Labor Day
6月12日 独立記念日
8月25日 National Heroes Day
11月30日 ボニファシオデー
12月25日 クリスマス
12月30日 リザールデー

参考資料:Proclamation No.655, Sep 25, 2013
http://www.gov.ph/downloads/2013/09sep/20130925-PROC-0655-BSA.pdf

上記の一般祝祭日の給与計算だけ気を付けておけば、他の祝日はひとまとめで130%の割増賃金が必要になると考えておけば混乱することはありません。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上

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