フィリピンにおける閉鎖手続き-Part3

税務

こんにちは、フィリピン駐在員の大橋です。

今回も引き続き、第3回目となる閉鎖手続きについてお話しします。

今回は、閉鎖手続きが2年~3年以上かかる主な原因であるBIR手続きについてまとめました。

■BIRへの対応

人員整理に伴う、Separation payを支払い整理解雇した後は、初回のブログでご紹介した通り、LGU→SSS/Philhealth/HDMF→BIR→SECへの手続きという流れになります。

時間がかかるのはBIRでの手続きで、まずTax Clearanceを取得するために、過去3年分の税務調査を受ける必要があります。

BIR側の税務調査スケジュールにもよりますが、手続開始にかかる期間は早くて半年~1年以上かかることも珍しくありません。

具体的な流れとしては、BIRへ閉鎖する旨のレターを提出することから始まります。

そして、税務上で未コンプライアンス事項がないかを確認するOpen Caseが発行され、

当該Open Case上で、過年度に渡り未コンプライアンス事項が発覚した場合は、コンプライアンス遵守とペナルティーの支払いが求められます

Open Caseの後、BIRよりBIRForm1905という申請書にBIR担当官よりスタンプをもらい、以後、税務申告対象者ではないことを示すEnd Dateが発行されます。

End Dateの発行をもって、会社側は税務コンプライアンス遵守をする必要がなくなりますが、同時にEnd Dateを末日として、期首からEnd dateまでの会計期間での法定監査を監査人より受け、Audited Financial Statementを用意する必要があります。

その後、税務調査が開始するLOA(Letter of Authority)がBIRより発行され、BIRから求められる資料の提出が必要となります。

また、LOAの発行から税務調査開始まで約6ヶ月~1年程かかる事が多く、税務調査が完了した後、BIRよりTax Clearanceが発行されBIRでの閉鎖手続きが完了するのですが、ここでもまた、2年~3年ほどかかるのが実務上は一般的となります。

当該Tax Clearanceを持って、ようやく最後にSECへの閉鎖手続きが進めることが出来ます。

以上、BIRでの閉鎖手続きの流れをまとめました。

次回は、最終回として閉鎖に関わる駐在員の取扱いをお話しします。

最後に、昨年9月より弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。

上記のようなフィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。

中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、

是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

大橋 聖也

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