役員の兼職についての規定

法務

前回は、外国人労働者の閉鎖ポジションについて触れたので、もうひとつの大きな論点といえる役員の兼職についての規定に触れたいと思う。

外国人就労者に関する労働移住大臣令(通達)(2004年20号)7条にて、役員以外の兼職が規定されている。

第1項で、使用者は他の使用者に雇用された労働者を雇用してはならないと規定している。
上記が発覚した場合、不法就労者として拘束され、国外退去処分となる。
また、同人は刑事犯罪者として2度とインドネシアへの入国が不可能となる。

ただし、同条2項において、他の会社の取締役、監査役となる場合は適用しないとしているので、
結論として役員の兼任は可能である。この場合、2つの会社から労働許可を取得することになるので、毎年1,200ドル×2の納付金(DPKK)を政府に納付することになる

一方で、当該労働移住大臣令の他に役員の兼職を禁止する特別法が存在する。
すなわち、インドネシア不正競争防止法第26条において、下記の3つのいずれかに該当する
会社の役員の兼職が禁止されている。

すなわち、
1、同じマーケットセグメント
2、事業活動、事業分野に強い結合が認められる
3、複数の会社が併せて、特定の商品、サービスについて市場をコントロールしていると認められる。

上記、いずれかに該当する場合、当該複数会社の役員の兼任をすることはできない。
上記に違反した場合、第49条により5~25億ルピアの罰金もしくは5か月以下の懲役が科せられる。事前に、兼任の対象となる会社間の事業体、サービスのシェア等を確認して頂くことが必要といえる。

以上

インドネシア駐在員 加藤

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