インドネシア駐在員給与の税務リスクについて

労務

皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の伊藤です。

 

日本からインドネシアの駐在員事務所、支店、法人へ社員が出向する場合、給与の支払いについての税務リスクをお伝えします。

 

<源泉税の認識>

インドネシアで所得税の源泉が必要となる条件としては以下2点となります。

1)給与明細がインドネシアの駐在員事務所、支店、法人より発行されている

2)社員の口座への振込が駐在員事務所、支店、法人から送金されている

 

例えば、日本法人の給与として会計上計上され、日本法人から直接社員の銀行口座へ給与が振り込まれている場合、インドネシアの源泉PPH21を源泉して納付することはできません。

PPH21と認識するには、インドネシアにて給与を発生させ、源泉徴収を毎月行い、社員の方へ振り込んでいただく必要があります。

 

PPH21の認識

・給与が現地の会計上の費用となる

・現地法人より給与を支払い、PPH21を源泉し、毎月納付する。

 

海外給与が日本法人の費用として計上される場合には、インドネシアで発生する給与ではありませんので、=日本で発生する所得とされ、現地での毎月のPPH21納付は不要になります。

 

毎月日本で出向元より源泉徴収を行ってください。日本において非居住者となり、源泉徴収ができない場合には、日本、インドネシア両国において源泉ができませんので、年間の確定申告時に全世界所得にて計算を行い、税額を確定します。確定申告における税金PPH29は、会社からの納税義務はありません。

 

 確定申告時、インドネシアの給与発生額がない場合、インドネシアで給与が発生しないことに対してみなし課税されるリスクがあります。

 

税務署の見解としては、インドネシアに居住し、税務番号(NPWP)を取得しているのであれば、インドネシアで所得が発生し、所得税を納める義務がある という考え方になります。

 

毎月PPH21を納めていない場合には、遅延報告、遅延納税としてペナルティを請求される可能性があります。

 

対応策としては、以下になります。

1.インドネシアにて給与発生しない旨、株主総会議事録に記載しておく。

2.インドネシアにおいて、給与の一部を発生させ、毎月PPH21を納税する。

 

駐在員の帰任時の税務番号(NPWP)返却時に、個人に対する税務調査が実施されますので、赴任前の給与支払いのフローの確認、追徴課税リスクに関する検討が必要です。

 

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