インドネシア就労における手続き(BPJS)

その他

 

前回ご紹介した、インドネシアで就労するための必要手続きの中で、今回は社会保障制度(BPJS)について、ご紹介致します。

こちらは、6ヶ月以上インドネシアに滞在している外国人にも加入義務があります。これに加入していないと、ビザの延長等の手続きがスムーズにできない場合がありますので、注意が必要です。

 

<BPJS制度概要>

2種類のタイプ(機関)が存在。

①健康保険‐BPJS Kesehatan

②社会保険(老齢給付・老齢積立金・労災保険・死亡保障)‐BPJS Ketenagakerjaan

 

<加入義務>

①健康保険⇒企業区分が明確ではないが、外国投資企業は現状、企業、労働者ともにすべて加入の義務があると考えるべき。

②社会保険⇒全ての企業、労働者に加入義務あり。

※外国人労働者:健康保険、社会保険両方で、6ヶ月以上の滞在者には、加入の義務が明記。

※老齢給付は、2016年1月1日より、加入義務化。老齢給付のみ外国人は対象外。

※BPJSの運営自体は赤字であり、老齢給付の料率の値上げが検討されている。政府は、3年毎の見直しを行い、段階的に、老齢給付の料率を8%まで引き上げるという指針を発表している。

 

<掛金>

 

 

<ベネフィット>

○健康保険

  • BPJSの身分証明カードをBPJSより受取り、そのカードを医療機関に持って行くことでサービスが受けられます。身分証明カードには、初期医療機関名が記されています。
  • BPJSは緊急の場合を除き、基本的には

     1,初期医療機関(BPJSの指定された医療機関から選択)

     2,専門医 

     3,保険大臣が定めたその他のサービス

    の順に医療保障を受けることとなります。(緊急時は除く)

    上記の順番で受診することにより、例外はあれど手術等上限  

     なしでBPJSのサービスが受けられることとなります。

 

○社会保険

①老齢給付(毎月給付)

・最低掛け金期間15年(15年未満の場合は、支払い期間に応じて調整)

・56歳から受取可能。(2019年からは57歳、以後3年毎に1歳上昇、最終的には65歳から受取可能。)

・3,000,000IDR-3,600,000IDR/月

※掛金について、経済状況をみて将来8%(会社負担 5%,従業員負担 3% )まで引き上げる予定。3年毎に検討。

②老齢積立金(一次給付)

・定年、解雇、死亡、労働者が障害者になった場合にて、現金にて払い戻しを受けるこ とが可能

・加入から5年経過後、インドネシアにて労働していない者も還付請求可能。

・「掛金全額+利子」

③労災保険

労災補償は、障害に応じた補償金が給付されます。補償金には、事故または労働災害を被った労働者の病院への搬送費、治療費、リハビ リ費用、生活補助金があります。このほかに、一時的な就労不能に対 する給付、障害補償があり、給付金額はそれぞれ以下の通りです。

【一時的な就労不能に対する給付】

就労不能期間

給付金額

1 ~ 4 カ月

月給の 100%

5 ~ 8 カ月

月給75%

9 カ月以降

月給50%

【障害補償】

障害

給付金額

部分的障害

障害の程度に応じて、規定に基づき 80 カ月分の賃金を 乗じた金額

全体的障害

(a)80 カ月分の賃金の 70% を一括払

(b)24 カ月間、毎月 2 0万ルピアを分割払

脳機能障害

80 カ月分の賃金に重症度別の割合を乗じた金額を一括払

 

④死亡保障 

【死亡給付金】

給付金

給付金額

一括払

80 カ月分の賃金の 60%

分割払

24 カ月間、毎月 2 0 万ルピア

葬儀費用

200 万ルピア

 

 

以上

 

 

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