1947年労働争議(産業紛争)法による解雇規制

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本佳代です。

 

インドでは労働者を保護するための法律が数多く存在します。インドでは、「ワークマン」は、労働法に保護された労働者階級であり、転籍、解雇いずれも退職補償金などの支払義務が発生することとされています。労働関連法規のうち、労働争議(産業紛争)法において具体的な取扱いが規定されており、同法第2条において、ワークマンは以下のように定義されています。

 

「手作業的、 非熟練的もしくは熟練的、技術的、作業的、事務的または監督的業務のために雇用された者のうち、経営的または管理者的立場にある者、または月の賃金が1千ルピーを超えており、かつ監督的立場にある者などを除いた者」一方、ノンワークマンは、本定義に該当しない者をいいます。

 

労働争議(産業紛争)法における解雇規制は、被雇用者がワークマンである場合にのみ適用され、被雇用者がノンワー クマンである場合には適用されません。被雇用者がワークマンとノンワークマンのいずれに該当するかは、実際に与えられている職務権限や立場等に基づく実質的な検討が必要となることがあり、裁判官の判断に委ねられることがあります。営業、マーケティング、その他管理業務など複数の役割を担う被雇用者の場合、被雇用者がワークマンかノンワークマンのいずれに該当するかの判断に迷うことがありますが、解雇規制の適用を受けるのはあくまで被雇用者がワークマンの場合です。法令違反については、厳しい罰則の対象となるため、ワークマンの判断は慎重に行う必要があります。

 

労働争議(産業紛争)法25F条で定めるワークマンの解雇規制は、以下に定めるとおりです。

  1. 書面による一か月前の予告(解雇の理由、解雇日を明記する必要がある。)

 

即時解雇の場合は、予告期間に相当する賃金の支払いが必要となる。

  1. 勤続年数に応じ、年に6か月以上勤務した被雇用者に限り、1年あたり賃金の15日分の退職補償金を支払う必要がある。
  2. 年間平均100 人以上のワークマンを雇用する産業施設(工場等)の場合、同法25N条の規定が適用される。

 

年間平均100人以上のワークマンを雇用する産業施設(工場等)は、最低三か月前の予告により通知(または、三か月分の予告手当の支払い)を行う必要があり、さらに政府機関から事前の認可を受ける必要があります。カルナタカ州の場合、カルナタカ州の労働監督官(Jurisdictional Labour Commissioner)から事前許可が必要となります。

 

あくまで上記は、労働争議(産業紛争)法の規定であり、企業が被雇用者と締結した雇用契約において被雇用者側に より有利な規定を定めている場合は、雇用契約の内容が労働争議(産業紛争)法の規定よりも優先されることになります。具体的には、法律で定める予告期間よりも長い予告期間や手厚い退職補償金制度が雇用契約上、定められている場合は、雇用契約の内容を優先する必要がありますので注意が必要です。

 

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