インド個人所得税について  ~月額の予測と実額がズレる編~

税務

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本佳代です。

 

インドに駐在して早二年が経過しました。日々、日系のお客様から様々な分野の質問を受ける中、やはり、ダントツで問い合わせが多いのは、日本人駐在員の方の「個人所得税」に関する質問です。日本人駐在員の方の場合、一般的にはインド側給与と日本側給与、それに加えて、会社が負担する社宅や車代なども一定額まで個人の所得に含まれるため、高級なアパートメントに居住される場合、当然、その分、個人の所得が高くなります。

 

また、インドは、日本同様に超過累進課税方式を採用しており、所得が一定額を超えるとその超えた部分に対して高い税率が適用される仕組みになっています。したがって、所得税が高額になることを嫌って、日本側給与を開示しない企業も未だに多くみられます。しかし、意図して所得を隠していることが発覚した場合、税務調査が入った際には、当然重い罰則の対象にもなりますし、ローカル社員と比較しても、高所得者である日本人駐在員が目を付けられやすいといったリスクも考慮した上で、毎期適切な申告を心がけることが重要です。

 

さて、今回は、お客様からこのような質問を受けました。

会計事務所様に全て所得税の計算をアウトソースされている企業様におかれましては、同様の疑問を抱かれている方も少なくないのではないでしょうか。

是非、参考までにご共有させていただければと思います。

 

「先月と比較して、今月の個人所得税が非常に高額になっている。支給されている給与額は、先月と変わらないのに、なぜ今月だけ個人所得税が高くなっているのか。理由が知りたい。」

 

疑問に思われるのは、ごもっともだと思います。

まず、毎月のTDSに含めて支払う個人所得税は月額の所得をもとに月単位で計算する訳ではありません。

年間(4月~翌年3月)の所得をもとに月割り計算を行います。

 

弊社では、まず、日本側給与額とインド側給与額、アパートの契約書等の情報をいただいた上で、年間の所得見込額を計算します。それを期末までの月数で割り算して毎月の支払い額を計算しているため、年度の中途に、賞与支給額等の新しい情報を提供いただいた時点で、当然、年間の合計所得が変動することになります。

 

上記のケースですと、先月時点では頂いていなかった賞与などの情報を加算した上で年間所得の再計算を行い、4月以降、既に支払った税額を差し引いた後の金額に対し期末までの月数で割り算しているため、前月と比較して今月のTDS額が高額になった、ということが予想できます。(※)

※あくまで、計算にミスがないことを前提とした回答です。

(日本側給与に対して適用する為替変動の影響を除く。)

 

期首時点に予測した費用の額と実際の支払額に大幅なズレが生じる場合は、一度ご相談ください。

見込み額を予測した上で、月単位の費用額についてシミュレーションするお手伝いはできるかと思います。

 

東京コンサルティングファーム

坂本 佳代

 

 

Tokyo Consulting Firm Private Limited

Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited

バンガロール支店マネージャー

坂本 佳代(さかもと かよ)

TEL: +91 91484 32351 / E-MAIL: sakamoto.kayo@tokyoconsultinggroup.com

 

 

 

 

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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