インドにおける居住者証明書(Tax Residence Certificate)の提出義務について(その②)

税務

皆さん、こんにちは。インド及びインド周辺国統括の小谷野勝幸です。

前回は、インド子会社から日本親会社へ販売及びサービス提供の対価を支払う場合を説明しました。

今回は、引き続きインドにおける居住者証明書(Tax Residence Certificate)の提出義務の他国からインド国内企業(子会社等)へ支払う場合の居住者証明書の現地状況及び居住者証明書の記載必要情報について紹介致します。

上記の様に、ビジネス上他国からインド国内企業へ居住者証明書を依頼する場合もあります。特に厳格な規則を既に導入運用しているシンガポールでは、シンガポール親会社からインド子会社へ販売及びサービス提供の代価を支払う場合、証明書の提示がされない限り支払自体が税務当局より許可されません。

それに加え、税務当局からの居住者証明書を企業が受け取るまでは最低でも2か月以上かかる場合があります。これは、税務署員が手続き自体に慣れていないことが大きな原因となります。こういった現状を踏まえ、ビジネススキームの確認がインドでは頻繁に必要となり、適切なスキームの構築から親子間取引に関わるリスク確認が必要となります。

又、下記はインドにおける居住者証明書(Tax Residence Certificate)を取得する場合の必要情報となります。

・法人(非居住者)が対象となる場合
納税者氏名
納税者の形態
登記(設立)されている国
居住地における納税者識別番号
税法上の居住状況
証明書の有効期限
証明書有効期限中の住所

・法人(居住者)が対象となる場合
① FORM 10FA(インド税務当局への居住証明書の発行依頼書への記載事項)
納税者の氏名及び住所
登記(設立)されている国
証明書有効期限中の登記住所
E-mail address
PAN
TAN
インド居住者である証明資料
証明書の有効期限
証明書の具体的な取得目的
その他必要資料

② FORM 10FB(インド税務当局から発行された居住者証明書上での記載事項)
その者の氏名
形態
PAN
証明書有効期限中の住所

当該、通達が施行されたばかりという背景やそもそもインド国外への支払い関して厳格な規則が現在適用されていないため今後どのように法整備がされていくのか注意が必要です。

この様にクロスボーダー取引による税務スキームを事前に把握し構築していくことが、海外子会社管理におけるリスクヘッジとなります。加えて現地では、内需向けに多くの企業が生産拠点を設けシェアを広げています。こういったスピードを意識した展開にもしっかりと対応してくことが現地子会社の管理者に求められる要素となります。

当社は、進出後の税務スキームや生産性管理、原価管理などについてもアドバイスしています。会計及び税務、人事、労務関係での不安やご質問などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

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