中国の人件費とHRの課題は?

こんにちは、中国・上海の安孫子 悠治 (アビコ ユウジ)です。

 

今日は中国の人件費についてお話しします。中国へ進出予定の企業様、そしてすでに進出済みの企業様もご一読いただけますと幸いです。

中国の人件費と聞くとどんな印象を持ちますか?

みなさまがご存知の通り中国は、北京、上海、広州、深センを中心に様々な業界の企業が成長をとげ今では日本よりもGDPが高いです。その一方で人件費の高騰が深刻な問題となっています。広州日本商工会はの調査によると2018年11~12月に、法人会員626社に対し、事業方針や経営上の課題などに関するアンケートを実施し(有効回答85社)、2018年の売り上げが増加すると回答した企業は全体の54%に上り、今後事業を拡大すると回答した企業も65%、いずれも過半数を占める結果となりました。一方、賃金上昇や人材不足、従業員の定着率悪化を懸念する企業が依然として多いようです。また労務課題についての詳細な調査によると「賃金の上昇圧力」が41%と、7年連続で最多であり、ついで「募集しても必要人数が採れない」19%、「定着率の悪化」15%、「労働法への対応」11%というう結果がでています。

 

人件費の高騰については、毎年高水準で賃金が上昇する中、「物価上昇率と賃金上昇率が比例していない」「昇給率と事業拡大による企業収益改善のスピードが合わない」「地場企業とのコスト競争に対抗できない」などの声があり、人材不足や定着率悪化に関しては、「ワーカーが不足する中、募集しても応募が少なく、入社してもすぐに辞める」「最近新入社員の定着が悪い。入社後数週間で3~5割が退職する」「周辺の地場企業が賃金を引き上げる中、人材の定着率が悪化している」などのコメントが出ています。

 

こうした人件費の高騰やHRの課題は企業の成長の証でもあり企業が雇用を生み出していけるほど成長しているというポジティブな考え方ができるかと思います。しかし、人件費の問題も見過ごすこともできないかと思います。

 

中国企業の多くが今抱える人件費の問題に対する弊社としての答えは「生産性の向上」です。

弊社としては人件費を削減していくという発想ではなくより売上を伸ばしていくために社員の生産性をあげていく施策や内政が必要ではないかと考えます。具体的に生産性の向上に必要なものは「仕事の標準化」と「社員の意識改革」の2つが考えられるのではないかと思います。

仕事の標準化としてはマニュアルを全社的に統一し、いい意味で作業中に余計に思考することをなくし、その分の作業スピードを向上させるという考え方です。そして意識改革については中間管理職の育成と社員への正当な評価を行うことで社員が自立的に会社への貢献をしようとする意識改革・改善ができ生産性の向上につながるという発想です。ちなみに人件費の問題だけでなく人材の定着率に関する課題も同じように解決できると弊社は考えております。

少しでも参考になりましたら、お考えになられても良いのではないでしょうか?中間管理職育成と人事評価制度の見直しについては弊社でもご支援可能ですので、ご興味があればお声がけください。

 

今後は中国だけではなく、ASEAN、アフリカなどの様々な新興国の成長の見込みがあり進出や海外投資を行う企業様が増えていくと予想されます。それに伴い「人」に関する課題が発生する可能性がありますのでぜひ一度、同じ課題をお持ちの企業様は中国という国や人の理解を再認識し、採用、評価、教育という点を見直されてはいかがでしょうか。

 

今回は以上です。

 

 

中国市場についてのセミナーも随時開催しております。ご興味のある方はぜひご連絡ください!

 

 

安孫子 悠治

 

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