バングラデシュに現地法人を持つ企業で運転資金を親会社より調達する際は、いくつかの懸念点があります。親会社はバングラデシュ法人の出資元となりますが、あくまで別の事業体となるため、支店・駐在員事務所のように「運転資金」という名目で送金を受入れることはできません。短期借入金、長期借入金、資本金(資本準備金)、サービス対価のいずれかの名目で受け入れる必要があります。
短期借入金:返済期間が一年未満の場合は、無許可で借入金を受入れ、元本の本国送金が可能
です。通常、無利息での借入となります。
長期借入金:返済期間が一年を超える場合は、投資庁(BIDA)もしくは輸出加工区庁(BEPZA)
及び中央銀行の許認可を取得する必要があります。許認可を取得しない場合は、返済
ができません。
資本金(資本準備金):増資という形で、資金を受け入れることになります。別途商業登記所で増資
手続きが必要となります。資本準備金として受け入れた場合には、すぐに増
資手続きは必要ありませんが、長期間、払込資本金に振り替えを行わない
場合(増資手続きを行わない場合)商業登記所及び税務署から指摘を
受ける可能性があります。
サービス対価:業務委託費等として親会社より受け入れることになります。この場合は、前払法人税とし
て送金金額の10%が銀行で源泉されます。また、別途送金金額の15%をVATとして
税務署に納付していただく必要があります。
送金を受け入れる際には、Form-Cという銀行フォーマットに受入れ目的を記載の上、申告することになります。そしてその申告書を基に会計データ作成及び税務申告も行うことになるため、資金受け入れ時は会計担当と受入れ目的を共有していただく必要があります。
(以上)
Tokyo Consulting Firm Limited
渡邊 忠興
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