ホーリー(テロのあったレストラン)のその後

今回は番外編として、2016年7月にISによるテロの標的となったレストランのその後についてお伝えしたいと思います。

 

<ホーリーについて>

当時よく日本でも報道されていましたが、テロが起きた「ホーリー・アーティザン・ベーカリー」というレストランは、日本人を含め、現地に住む外国人やバングラデシュ人の富裕層がよく利用する有名なお店でした。実際に現地に住んでいると、「1日前にあの場所にいた、1日ズレていたら・・」とか「1週間前の同時刻にあの場所にいた・・」などという声をよく聞きます。実際に私も、テロの前日にクライアント訪問の帰りにお昼ご飯を買いにホーリーに立ち寄っていました。あまりにも身近な場所が標的となったので、単に「被害にあわなかった」というよりも、「生き残った」という気分がします。

また、このカフェの近くには、富裕層をターゲットにした施設(カフェ、病院、スーパー、レストランなど)がたくさんあります。ちなみにこのホーリーカフェのオーナーはGulshan地区の別の場所にもう1つレストランを運営しています。「IZUMI」という日本食のレストランで、こちらも日本人はもちろんのこと、欧米人にも人気のレストランです。IZUMIは、まだバングラデシュの治安が良かった時期には、日本商工会の懇親会や日本人会のゴルフコンペの打ち上げで使われるような、日本人なら誰もが知っているレストランでした。

 

<テロ直後のホーリー>

テロ直後は、レストランのあった場所と前の道路が封鎖され、常に警察が周辺の警備を行っている状態でした。また、同系列であるIZUMIも「ホーリー襲撃前にISがIZUMIにも視察に行っていた」といううわさが流れたこともあり、テロ直後には閉鎖せざるを得ない状況だったようです。

 

<その後のホーリー>

テロでレストラン自体は閉鎖されましたが、数か月後には、前述の日本食レストラン「IZUMI」で、ホーリーのパンが買えるようになりました。また、種類は以前ほど多くないようでしたが、パンのデリバリーも可能になりました。

また、同じくGulshan地区で、ホーリーのすぐ近くにあるアメリカのコーヒーチェーン「グロリアジーンズ・カフェ」にも同じく、ISが下見に行っていたといううわさが流れました。こちらのカフェも直後は閉鎖していたようでしたが、現在はセキュリティが強化され、営業を再開しています。

 

<今後のホーリー>

先日、Gulshan地区を通ったところ、なんと、以前とは別の場所に、ホーリーの看板ができていました。覗いてみると、まだオープン準備中のようでした。ダッカで日本と同じクオリティの食事ができるカフェ・レストランはかなり少ないので、現地に住む私としては今からオープンが楽しみです。

 

 

昨年6月以前は、毎週のようにISによる異教徒や外国人の殺害が相次いでいましたが、現在のダッカは、警察当局の強い取り締まりにより、昨年7月以降は外国人が犠牲になるテロは起きていません。ISがテロを計画しているといううわさが流れることも時々あり、まだまだ油断はできない状況ですが、このまま治安が改善し、また外国人が普通に道を歩き、買い物に行き、みんなで集まってレストランで食事ができるような平和な日が来るのを願うばかりです。

 

 

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